※この記事はコロナウイルス感染症が第一類感染症に分類されていた頃に書かれたものです
※この記事は、コロナ感染で身近な人が急逝した場合に必要な手続きや葬儀の進め方、心のケアなどをまとめたコラムです。
実践的な終活情報や葬儀準備については、以下もご参考ください↓
1. コロナでの亡くなり方・病院での対応
コロナ感染で急変した場合、病院側は 隔離病棟 で最期を迎えるケースがほとんどです。主なポイントは以下のとおりです。
- 付き添い制限
重症化すると家族も面会できない場合があります。最期を見届けたいときは、病院の医療ソーシャルワーカーや看護師に「ビデオ通話で面会したい」などの希望を伝えておきましょう。 - 死亡診断書の発行
医師がオンライン診療記録を参考に「新型コロナウイルス感染症による死亡」と判断すると、死亡診断書が発行されます。診断書には感染症の欄が記載されるため、その後の手続きにも影響します。 - 遺体の取り扱い
遺体を搬送する前に病院で消毒処置が行われ、防護服を着た職員が遺体を納体袋に収めます。ご遺族が直接触れる前に、ビニールシートやドライアイスで感染リスクを抑えた状態にして搬送されます。(※状況による)
筆者からの一言
「病院での最期の時間は限られますが、病院によって事前に『映像で対話』などさまざまな取り組みが進んでいます。時期によって、葬儀社も防護服を来てお迎えにあがることもありました。」
2. 葬儀形式や検疫措置の変化
コロナ禍では感染対策のため、通常とは異なる制限や手順を踏む必要があります。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 家族葬・直葬が主流に
- 感染リスクを抑えるため、親族だけで見送る 「家族葬」 や 「直葬(火葬のみ)」 の需要が増加しました。
- 葬儀社には「感染予防を徹底したい」と伝え、形式や規模を相談しましょう。
- マスク・検温・手指消毒の徹底
- 式場入口での検温チェック、受付でのアルコール消毒、マスク着用は必須です。
- 参列者が少人数でも、体調不良の方は来場を控えるように案内します。
- 会場のレイアウト変更
- 祭壇前に十分な間隔を空けて椅子を配置し、参列者同士がソーシャルディスタンスを保てるようにします。
- 会場内の換気を頻繁に行い、窓を開けるか空気清浄機を稼働させるなど、感染対策をチェックしましょう。
筆者からの一言
「特に冬場は換気が難しいため、オンライン参列を活用すると遠方の親族にも式の様子を届けやすいです。」
3. 遺体搬送・火葬・埋葬の流れ
コロナで亡くなった方の 遺体搬送から埋葬までの手順 は、通常と異なる点がいくつかあります。
- 遺体搬送業者への連絡
- 病院指定の搬送業者が防護服を着用し、遺体を安置先へ搬送します。
- ご遺族は搬送日時を業者と調整し、防護服を着たスタッフがドライアイスや消毒を行いながら運搬します。
- 安置場所での保管
- 斎場の安置室や自宅でドライアイスを使い、簡易的な保管措置を行います。
- 火葬炉の準備が整うまでの間、別室で保管されるケースがあります。
- 火葬手続き
- コロナでの死因の場合、通常枠とは別枠で予約を受け付ける火葬場が増えてきました。
- 対面できないケースが多く病院でのお別れが最後になることがあります。
- 火葬後の骨上げもマスクを着用し、短時間で行います。
- 埋葬・納骨
- 埋葬や納骨は自治体のルールや墓地管理規約に従う必要があります。
- 他宗派のお墓や無宗教形式の場合は、事前に納骨許可を確認しておきましょう。
筆者からの一言
「遺体搬送から火葬までのタイミングを短くするためにも、葬儀社と早めに打ち合わせをしておくのが安心です。」
4. 各種手続きと役所・葬儀社への連絡方法
コロナで亡くなった場合、必要な手続きは主に「死亡届提出」「葬祭費・埋葬料の申請」「銀行口座解約など各種手続き」に分かれます。このあたりは通常通りですが、第一類感染症だった頃は、亡くなってすぐの火葬が可能でした。
- 死亡届の提出(7日以内)
- 医師が発行した死亡診断書をもとに、市区町村役所へ「死亡届」を提出します。
- 届出人は遺族の中で最も近しい方。提出後に 火葬許可証 を受け取ります。
- 葬祭費・埋葬料の申請
- 国民健康保険加入者は「葬祭費」、社会保険加入者は「埋葬料」を請求できます。(後日)
- 必要書類(死亡診断書のコピー、保険証、葬儀費用領収書など)を役所窓口または郵送で提出しましょう。
- 銀行口座・クレジットカードの解約
- 遺族代表者が口座解約手続きを行います。
- 死亡届のコピーや印鑑証明が必要な場合があるので、早めに準備しておきましょう。
- クレジットカードは死亡通知をすれば利用停止になります。
- 年金・社会保険手続き
- 年金受給者が亡くなった場合、「遺族年金」などの請求が必要です。
- 速やかに年金事務所や社会保険事務所へ連絡し、申請書類を揃えましょう。
筆者からの一言
「手続きは多岐にわたりますが、すぐにできる手続きは”死亡届の提出”くらいなので、焦らずにまずは無事に見送ることを優先しましょう。」
5. 遺族の心のケアと支援制度
コロナで家族を亡くした場合、精神的にも経済的にも大きな負担がかかります。以下の制度や支援を活用してみてください。
- 遺族年金・生活支援
- 亡くなった方が厚生年金加入者であれば「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」を請求できます。
- 生活が苦しい場合は、市区町村の 「生活福祉資金貸付制度」 や 「社会福祉協議会」 に相談できます。
- 心のケア(カウンセリング・支援団体)
- コロナ禍では面会制限があり、最期の別れを見届けられずに孤独感を抱く遺族も少なくありません。
- 無料・低料金で利用できる 「心の電話相談」 や 「臨床心理士によるカウンセリング」 を活用して、悲しみのプロセスをサポートしてもらいましょう。
- 葬儀社によっては、「アフターケア相談」 を提供しているところもあります。
- 地域の支援ボランティア・NPO
- 地域でコロナ急逝者をサポートするボランティア団体やNPOがあります。
- 遺体搬送や葬儀後の清掃、食品支援など、生活面を支えてくれるケースもあるので、役所や区市町村の相談窓口で情報を得ましょう。
筆者からの一言
「深い悲しみを一人で抱え込まず、専門機関や支援団体にまず連絡することをおすすめします。話すだけでも心が軽くなります。」
まとめ
コロナで大切な方を急に失う経験は、心身に大きな影響を及ぼしますが、「事前に知っておくこと」「支援制度を活用すること」「周囲のサポートを受けること」で、負担を軽減できます。
- 医療機関での最期の迎え方を理解し、リモート面会などの方法を確認する
- 制限された葬儀形式の中でも「家族葬」「直葬」「オンライン参列」などを選択肢に検討する
- 遺体搬送から火葬、埋葬までの流れを葬儀社と早めに相談・準備する
- 死亡届、葬祭費・埋葬料請求、口座解約など、各種手続きを漏れなく進める
- 遺族年金や生活支援、心のケア制度、地域支援を積極的に活用し、一人で抱え込まない
どんな状況でも、「故人への想い」を大切にしながら、無理なく進めることが最優先です。もしお困りの点があれば、葬儀社や行政の窓口、専門家に遠慮なく相談してください。
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