後悔しない葬儀選び|直葬と家族葬の違いを現役スタッフが解説します

大切な人との最期のお別れ。どんな形がいいのか、迷ってしまうことはありませんか?

もしもの時、何から手をつければいいのか分からない…そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、現役の葬儀社スタッフである私が、直葬と家族葬の違いについてやさしく解説します。

この記事を読めば、2つの葬儀スタイルの特徴や選び方がわかり、「自分たちにはどちらが合っているのか」がスッキリ整理できるはずです。

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この記事でわかること

  • 直葬(火葬式)と家族葬の定義と違い
  • どちらを選ぶべきかの判断基準(費用・参列範囲・遺族の負担)
  • 香典・弔電・供花の扱い(辞退文言の例つき)
  • トラブルを避ける案内の出し方と実務のコツ

3行まとめ

  • 直葬=儀式を省いて火葬のみ/家族葬=参列範囲をしぼった小規模葬
  • 予算最小・事情優先なら直葬、お別れの時間を確保したいなら家族葬
  • 香典・供花は方針を明記すれば運用できる。訃報/案内の文言が命

直葬(火葬式)とは?

直葬(ちょくそう)(またはじきそう)とは、通夜や告別式といった儀式を行わず、火葬だけを行うシンプルな葬儀スタイルです。

  • 通夜・告別式を省略し、火葬場に直接向かう
  • 一般的には親族のみ、5〜10人前後で実施
  • 宗教的な儀式は行わないか、最小限で進める

高齢化や経済的事情、家族構成の変化などから、近年選ぶ人が増えています。

直葬のメリットとデメリット

メリット:

  • 費用が抑えられる(総額20万円前後〜)
  • 段取りが少なく、短時間で済む
  • 身内だけで静かに見送れる

デメリット:

  • 式がないことに寂しさを感じることも
  • 親戚や友人に説明が必要な場合がある
  • 菩提寺がある場合、了承が必要なことも

直葬も一長一短です。こちらもやはり”目的に合わせて選ぶ”ことが大切です。

直葬が向いているケースと注意点

  • 故人が儀式を望まなかった
  • 身寄りが少ない、遠方にいる
  • 経済的に余裕がない
  • 信仰や宗教儀式にこだわらない

ただし、後から「やはり何かしてあげたかった」と感じるご家族もいるため、事前によく相談しておくことが大切です。

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家族葬とは?

家族葬とは、親族やごく親しい友人など、限られた人だけで行うお葬式のこと。

  • 一般的に数人〜30人程度で実施
  • 通夜や告別式は行うが、会葬者を制限する
  • 儀式の形式は自由に調整可能

「故人らしいお別れを、近しい人だけで」と考える人に選ばれています。

”家族葬”というだけで周囲に”親しい人だけで行う小規模を目指したお葬式”というアピールになります。友人も呼ぶけど必要以上に大きくしたくはない、そういった時に便利な言葉が”家族葬”です。

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家族葬のメリットとデメリット

メリット:

  • 気兼ねなく、落ち着いた雰囲気で送れる
  • 自分たちのペースで進行できる
  • 故人の意向を反映しやすい

デメリット:

  • 会葬返礼が少なく、費用負担が残ることも
  • 後日、参列できなかった人から連絡が来ることがある
  • 親戚などに説明が必要な場合も

👉【現役葬儀社スタッフが本音で解説】家族葬とは?メリット・デメリットをわかりやすく紹介

家族葬が向いているケースと注意点

  • 故人の意向で小規模なお葬式を希望していた
  • 親族関係が落ち着いており、少人数で問題ない
  • 自宅や施設で看取って、すでに別れの時間を持てている

「一般葬では多すぎる、でも何もなしでは寂しい」という方に選ばれる傾向があります。

直葬と家族葬の違いを比較しよう


直葬(火葬式)と家族葬の違い(要点)
項目 直葬(火葬式) 家族葬
内容 火葬のみ(儀式は最小) 小規模な葬儀(通夜・告別式を簡素に)
参列範囲 原則ごく限られた親族のみ 家族+親しい友人・親族(範囲は家族で決定)
負担 金銭・時間の負担が最小 会葬対応が軽く、別れの時間は確保
注意点 お別れ時間が短い/後日に弔問が来やすい 訃報もれ→後弔問対応が生じやすい
香典・供花 辞退運用が多い(方針次第) 受ける/辞退のどちらも可(方針明記)

※地域差・宗派差あり。会場の指示と家族の方針が最優先。

どちらを選ぶべき?迷ったときの考え方

葬儀には「正解」はありません。大切なのは、「故人をどう見送りたいか」と「残された人がどう向き合いたいか」です。

葬儀の概要を決めて行く際に、お問い合わせには”家族葬”と答えましょうか?それとも”一般葬”と答えましょうか?と質問されると思います。正解はありません。蓋を開けてみると、”一般葬”より人数が多くなった”家族葬”も沢山あります。

こんな時、どちらを選ぶ?具体的なケーススタディ

  • 【ケース1】独り暮らしの叔父。身寄りもなく「直葬でいい」と言っていた → 直葬が適切
  • 【ケース2】実家の母が亡くなり、地元の友人も参列を希望 → 家族葬で対応
  • 【ケース3】高齢の父を見送るにあたり、「生前お世話になった人にも知らせたいが、人数は多くない」→ 家族葬で対応

香典・弔電・供花(実務)

  • 香典:直葬は辞退運用が多い。家族葬は受ける/辞退どちらも可。
  • 弔電:参列辞退の代替として有効。送り先(会場/自宅)を明記。
  • 供花:受ける/辞退の方針、スタンド花の扱い、名札表記を事前共有。

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案内文(そのまま使えるテンプレ)

直葬(弔問辞退)

故 ○○ 儀 は家族の希望により直葬(火葬式)にて見送りいたしました。
誠に勝手ながら、ご弔問・ご香典・ご供花・ご弔電は固くご辞退申し上げます。

家族葬(参列辞退)

葬儀は家族葬にて執り行います。誠に勝手ながらご会葬・ご香典・ご供花はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。

家族葬(参列可)

葬儀は家族葬として執り行います。ご都合のつく方はご会葬賜れますと幸いです。香典につきましてはお気持ちのみ頂戴いたします。

よくある相談とその答え

Q1. 直葬でお別れの時間はとれる?
A. 火葬前に短時間の対面を設ける運用が可能。写真展示や後日の「偲ぶ会」で補完する方法も。

Q2. 家族葬に呼ばなかった方への後対応は?
A. 事情説明+お礼状、必要に応じて軽めの返礼(茶・菓子)。記帳シートと予備返礼を少量用意しておくとスムーズ。

Q3. どちらも迷うときは?
A. 「関係者の広さ」と「お別れの濃さ」で判断。広さ<濃さ→家族葬/広さも濃さも最小→直葬が目安。


まとめ:形式よりも気持ちを大切に

葬儀のかたちは人それぞれ。

「直葬だからダメ」「家族葬だから安心」と決まっているわけではありません。

大切なのは、故人への想いと、残された家族の心の整理。直葬も家族葬も、そのための選択肢の一つです。

このブログを読んで、少しでもあなたの不安が和らいだなら嬉しいです。

もし、具体的な相談があれば、いつでもご連絡くださいね。


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