一周忌の段取り|案内状はいつ出す?返信期限/会食なしのマナー/返礼相場まで

一周忌は、悲しみがゆっくり日常に溶けはじめる頃に迎える、はじめての大きな節目です。
「案内はいつ出す? 会食は必要? 返礼は何を用意すれば…」――気になることを、順番に決めていけるように、この記事では**準備の流れ(1か月前〜当日・後日)**をやさしく整理しました。小さく行う・会食なしで進める方法も載せています。
地域やお寺の慣習が最優先です。迷ったら確認しつつ、できるところから整えていきましょう。
全体像を先に見たい方は → 法事・供養まとめ

この記事でわかること

  • 一周忌の日取りと会場の決め方(前倒しの可否)
  • 6〜8週間前から当日までの段取りタイムライン
  • 案内状の出し方(いつ・何を書く・返信期限・連絡手段)
  • 返礼(相場・のし・当日/後日対応)
  • 会食(有無の判断・相場・手配のタイミング)
  • 費用の目安(お布施・お車代・お膳料)と封筒
  • 当日の流れと持ち物、施主あいさつの短文例

一周忌の基本と日取りの決め方

基本は祥月命日(亡くなった日)、集まりやすさを優先して直前の土日への前倒しも一般的です。人数・移動・駐車の条件と、菩提寺の予定を最優先で決めましょう。

  • 原則は祥月命日。平日で集まりにくい場合は直前の土日へ前倒しがよく行われます。
  • 会場の候補:寺院/自宅/会館(法要+会食併設)。高齢者の移動負担や駐車場の有無で判断。
  • まずは僧侶の予定と会場の空きを押さえる → 招待人数の“大枠”を決める → 予算の見取り図、の順で固めると迷いにくい。

段取りタイムライン(チェックリスト)

案内状を出すなら「1か月前に案内/2週間前に返信」を芯に、時系列で小さく決めていけば迷いません。必要な準備を週ごとに区切って進めます。

6〜8週間前

  • 日取りの仮決め/僧侶へ打診・会場の空き確認
  • 参列候補のリスト化(家族・親族中心/会社関係は原則不要)

4〜5週間前

  • 案内状作成・発送(目安:1か月前)
  • 会食の有無決定、予算の目安共有(1人3,000〜7,000円
  • 返礼品の候補を絞る(軽い消えもの中心)

2〜3週間前

  • 返信期限(開催2週間前を目安)
  • 出欠集計 → 会食人数確定/料理・折詰発注/席次仮決め
  • のし表書き・水引の色を確認(関東=黒白/関西=黄白が目安)

1週間前〜前日

  • 受付体制・配席最終確認、各封筒(お布施・お車代・お膳料)準備
  • 欠席者への後日返礼の手配メモ作成

当日

  • 受付 → 読経・焼香 → お墓参り → 会食(または折詰お渡し)
  • 僧侶が会食不参加ならお膳料(5千〜1万円)を別包みですると丁寧

□ チェックボックス用メモ
[  ] 僧侶・会場の確保

[  ] 案内送付

[  ] 返信集計

[  ] 料理・返礼手配

[  ] 封筒準備

[  ] 当日タイムテーブル印刷

案内(案内状・連絡手段・返信)

案内は1か月前、返信は2週間前を目安に。少人数なら往復はがき+電話/メール/LINEを併用して、抜け漏れを防ぎます。

いつ出す?

  • 基本は1か月前。大型連休や遠方が多い場合は5〜6週間前に前倒し。

誰に出す?

  • 原則は家族・親族中心。故人のご友人は近しい方に限定して個別連絡。会社関係の招待は多くの家庭で省略されています。

何を書く?(必須項目)

  • 日時/会場(地図・駐車案内)/会食の有無
  • 施主連絡先(電話・メール)/返信期限(2週間前)
  • 香典辞退の有無(辞退するなら明記)

連絡手段と管理

  • 往復はがきに電話・メール・LINEを併用。既読前提のツールだけに依存しない。
  • 返信の取りまとめは、出欠・同伴人数・アレルギーの3点をExcelやメモで一覧化。

例文(簡潔)

謹啓 亡○○○○一周忌法要を下記の通り執り行います。ご多用のところ恐れ入りますが、ご焼香ののち会食の席も設けます。ご都合をお知らせください。
記/日時:○月○日(○)○時〜/場所:○○寺(○市○丁目○-○ 駐車○台)/会食:有・無(どちらか〇)/返信期限:○月○日(○)/連絡先:○○(電話・メール)

返礼(引き出物・のし・後日対応)

返礼は1人3,000〜5,000円の“消えもの”が無難です。のしは地域の色に合わせ、欠席者へは1〜4週間以内の後日郵送で丁寧に。

  • 相場:1人あたり3,000〜5,000円(会食ありなら軽めにすることも)。
  • 品選び:お茶・菓子・調味料・タオル・カタログなどの消えもの。重い/大きい物は避ける。
  • のし:仏事用。表書きは「志」「粗供養」など。関東=黒白/関西=黄白が目安。
  • 手渡し:退出時に受付付近で。袋に名札があると取り違い防止。
  • 欠席者:香典のみ頂いた場合は同額の1/3〜1/2程度でお返し。

挨拶状の同封ひと言(例)

過日はご厚志を賜りありがとうございました。ささやかながら志の品をお届けいたします。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

会食(お斎)の考え方と手配

会食なしでも失礼には当たりません(事前周知+折詰で配慮)。実施する場合は1人3,000〜7,000円を目安に、返信締切で人数を確定して発注します。

会食あり/なしの判断

  • 参列者の年齢・移動距離・体調、会場の動線を考慮。
  • 会食なしでも問題ありません。案内状で事前に伝え、折詰+返礼で気持ちを添える。

相場・発注タイミング

  • 1人あたり3,000〜7,000円が目安。
  • 返信締切(2週間前)で人数を確定 → 料理・席次を発注。急な増減は折詰で調整。

メニュー・配慮

  • 精進寄りの和食を基調。慶事食材は避ける。お子さま用・アレルギーは事前確認。
  • 僧侶が会食不参加の場合はお膳料(5千〜1万円)を別包みで。

会食なしを伝える文面(例)

高齢の親族が多いため、当日の会食は控えさせていただきます。代わりに折詰をご用意いたしますので、お持ち帰りください。

費用の目安と封筒

目安はお布施3〜5万円/お車代・お膳料 各5千〜1万円。白無地の不祝儀袋に「御布施」「御車代」「御膳料」と表書きします。

  • お布施3万〜5万円(寺とのご縁・地域で変動)。
  • お車代5千〜1万円(距離や交通手段で加算)。
  • お膳料5千〜1万円(僧侶が会食不参加のとき)。
  • 封筒:白無地の不祝儀袋。表書きは「御布施」「御車代」「御膳料」。中袋に金額・施主名を記入。
  • 金額はあくまで目安。迷う場合は菩提寺へ事前に確認を。

当日の持ち物ミニチェック

受付用具・香典帳・返礼袋・封入済みの各封筒・タイムテーブルをひとまとめに。不足しやすい小物は予備を用意すると安心です。

  • 受付セット(香典帳・筆記具・名札・予備封筒・お釣り)
  • 返礼袋・折詰の数量表
  • お布施・お車代・お膳料(中袋メモ付き)
  • タイムテーブル(読経→焼香→移動→会食/折詰配布)
  • ウェットティッシュ・安全ピン・ガムテープ・ハサミ

葬儀社に依頼する場合、上記は葬儀社に依頼できるケースが多いです。

施主あいさつ(短文例・60秒以内)

長く語らず60秒以内を目安に、開会/会食前/締めの3パターンを用意。言葉を決めておくと当日も落ち着けます。

開会

本日はお忙しいところ、故○○の一周忌にお集まりいただきありがとうございます。短い時間ではございますが、在りし日を偲び、静かに手を合わせていただければ幸いです。

会食前

皆さまのおかげで無事に法要を終えることができました。ささやかではございますが、お食事をご用意しました。どうぞおくつろぎください。

締め

本日は誠にありがとうございました。お帰りの際、返礼の品をお受け取りください。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

案内状テンプレ(メール/往復はがき用・骨子)

必要事項だけを端的に。往復はがきとメールを併用し、地図URL/会食の有無/返信期限の3点は必ず明記します。

メール
件名:故○○ 一周忌法要のご案内(○/○○)
本文:

  1. 日時 2) 会場(住所・地図URL) 3) 会食の有無 4) 返信期限(○/○○) 5) 施主連絡先
    ※会食なしの場合は「折詰をご用意します」と明記。

往復はがき(往信)

  • 裏面:案内文/日時/会場地図/会食の有無/返信期限/連絡先
    返信面:出欠・人数・アレルギー有無・連絡欄

よくある質問

Q. 会食なしは失礼?
A. 事前周知のうえ、折詰+返礼で十分に礼を尽くせます。

Q. 案内は誰まで?
A. 基本は家族・親族中心。会社関係は不要が一般的。故人の親しい友人には個別で。

Q. 返礼は何が無難?
A. お茶・菓子・タオル・日用品など軽くて持ち帰りやすい消えもの

Q. のしの色は?
A. 目安として関東=黒白/関西=黄白。地域差があるため最終は取引先・お寺に確認。

Q. 日取りは命日前倒しでいい?
A. 仏事は先延ばししないのが通例。前倒しは広く行われています。

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まとめ

  • 基本は命日に近い土日、招待は身内中心
  • 1か月前に案内/2週間前に返信が段取りの芯。
  • 会食なしでもOK。折詰と返礼で丁寧に。
  • 費用線は「お布施3〜5万円/お車代・お膳料 各5千〜1万円」を目安に、寺へ事前確認。

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