葬儀の事前相談では、最初に「何を聞くか」を決めておくと迷いません。本記事はアンケート(チェックシート)付きで、費用・会場・実務の3ブロックを漏れなく確認できます。印刷して持参すれば、当日の質問漏れがぐっと減ります。
3行まとめ
・結論:質問は「費用」「会場」「実務」の3層で聞けば迷いません。
・見積は“同条件で2社比較”。総額と追加条件を横並びに。
・即決は不要。「持ち帰って家族で検討します」でOK。
まず結論:この10問だけでも十分
- 想定人数に合う会場サイズと椅子数は?
- 安置は自宅/会館どちらが可能?面会時間は?
- 搬送距離と深夜・早朝料金は?
- 基本プランに含まれるもの/別料金の線引きは?
- 返礼(当日返し/後返し/辞退)の運用は?
- 会食の可否と1人あたりの単価・変更期限は?
- 宗教者の紹介可否とお布施目安は?
- 会場使用時間の上限・延長料金は?
- 支払い方法(カード・分割・後払い)の可否は?
- キャンセル・日程変更の規定は?
※参考 香典返しはいつ?四十九日までの正解と相場表|即日発送・のし・お礼状テンプレ
お布施と一緒に”お車料・お膳料”のことを話題に出しても良さそうです。
事前に決めておくと会話が速い「前提5つ」
- 想定人数の上下限(最小◯名〜最大◯名)
- 優先順位(静けさ>アクセス/費用>広さ など)
- 会食の有無とアレルギー対応
- 宗教・宗派の有無(宗教者紹介希望の可否)
- 予算の上限ライン(「総額で上限◯円まで」)
チェックシート(印刷して持参OK)
【費用】基本セット/変動費(人数・日数)/小計・総額/見積条件の脚注
【会場】バリアフリー/控室の広さ/トイレ数/駐車台数/配信可否/写真・音楽の持ち込み/ペットの可否
【実務】安置/面会/搬送/供花・供物の扱い/香典の受付(キャッシュレス可否)/会葬礼状カスタム
【スケジュール】通夜・告別式の時間帯/読経時間/準備・片付けの枠
【連絡】24時間の直通番号/あれば担当者名
【備考】家族の希望(例:写真展示・好きな曲・静かな式)/メモ欄
予約テンプレ(コピペOK)
予約時に「30〜60分で概算の説明を受けたい」と伝えると、説明が凝縮されます。録音は要点だけでOK(見積条件・面会枠・延長ルール)。帰宅後は3行メモに落として家族LINEへ回すと、合意形成が速くて平和です。
電話:
「事前相談の予約をお願いします。◯/◯(◯) ◯:◯〜、家族葬の想定で見学と概算の説明を30〜60分伺いたいです。」
メール/LINE:
「事前相談予約希望:①日時候補 ②人数 ③想定形式(家族葬) ④確認項目(安置・配信・見積比較)。空き枠をご提示ください。」
※参考 弔電の宛名・差出人・連名・気付の書き方|会社宛・先生宛・施主持ちまで迷いゼロ
見積もりの見方(落とし穴)
・基本料金だけで比較しない。総額+追加条件+支払い方法で横並び。
・深夜搬送/安置延長/返礼追加は別計上になりやすい。締切も確認。
契約前の“ストップサイン”
・「今日だけの割引」を強く迫る
・総額ではなく“基本料金”のみで比較させる
・担当者が“追加になりやすい費目”を曖昧にする
→ この3つが揃ったら持ち帰りが正解。
断り方テンプレ
「本日は丁寧なご説明をありがとうございました。家族で持ち帰って検討し、◯日までにご連絡いたします。」
「今回は条件が合わず見送らせていただきます。資料は参考にさせていただきます。」
高齢の参列が多いときは、トイレの“近さ”が満足度に関わります。パンフレットにない情報なので、実際に歩いて確認しましょう。式場の華やかさより、家族の移動が楽なことが当日の笑顔につながるかもしれません。
5分チェック(来館前)
□ 予約した/担当者名を控えた
□ 想定人数と予算幅
□ 質問リスト持参
□ 比較方針(同条件で2社など)
□ 家族共有
会館見学と事前相談は別物です。相談で決めきらず、必ず会館を歩いてください。写真は入口サイン+室内1枚、控室1枚、トイレまでの導線1枚で十分。
まとめ
むずかしい専門用語よりも、「家族が安心して決められるか」をいちばん大切にしましょう。
今日のチェックシートがあれば、聞き漏れなく落ち着いて進められます。
- 迷ったら「費用・会場・実務」の3つに分けて質問すると整理しやすいです。
- 見積は同じ条件で2社以上並べて、総額と追加条件をそろえて比べましょう。
- 契約は焦らず、持ち帰って家族で確認。そのひと言で大丈夫。
- 会館は写真だけで決めず、動線やトイレの近さを実際に歩いてチェック。
- 「今日だけの割引」など強い即決トークが続くときは、いったん立ち止まるのが安心です。
最後は、小さな一歩から。
「30〜60分の事前相談を予約 → 要点だけメモ → 家族LINEで共有」
これだけで、不安はぐっと軽くなります。ゆっくり、丁寧に進めていきましょう。
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