宗教によって違うお別れの形式、知っていますか?
お葬式での宗教選びのポイントをお伝えします。
大切な人を失った時こそ、失敗しない選択をしたいですね。
少しでも思考を巡らせておくだけで、いざという時に落ち着いて対応できるかもしれません。
知っている?自分の家の宗教宗派
親や配偶者が危篤!
急に訪れるのが近しい人の別れ、お葬式です。いざその時になってみると悲しみで何も考えられない。
近しい人を亡くした時というのは頭が真っ白になって当然。
何にも考えられない!!パニック!!
身近な人の死は人生で大きく判断力が鈍る場面の1つかもしれません。
そんな時に考えなくてはいけないのが宗教のことです。自らはどんな宗教に属しているのか、宗教がなんなのか、把握していますか?
また実家の宗教がわかっていても、本当にその宗教に基づいてお葬式をしていいのでしょうかですか?
一度きりの大切な人とのお別れ。
人生の締めくくりを行う者として今一度考えてみてはいかがでしょうか。
毎日葬儀に関わっている筆者が一般的な方のケースと比較しながら検討していきます。
まずは結論。よくある宗教の決め方
①いつもの宗教で決める人
②信仰している宗教はないが実家やお墓の関係で決める人
③宗教によるお葬式を望まない人
④とりあえずお経が欲しいので仏教を希望する人
だいたいこんなパターンが多いな〜
多くの場合日本でいう宗教は 仏教 神道 キリスト教 この3タイプです。
①いつもの宗教で決める人
普段から信仰している、共感できる考え方でお葬式をする。
信仰がある場合はストレートにいつもの宗教者の方にお願いしてお葬式に来てもらいましょう。
故人からしても、送る側からしても、お互いが納得のいく手段となります。
でも、宗教がない場合はどうなるんだろう?
②信仰している宗教はないが実家やお墓の関係で決める人
実際はこのパターンが一番多いでしょうか。
宗教がないご家庭はたくさんあるよね
信仰があるわけではないが実家や仏壇、お墓の関係で宗教を決める。
特にお墓がお寺の敷地の中にある、などの特定の宗教施設に墓地を設けている場合は注意が必要です。
墓地のある場所の宗教でお葬式をしない(他宗教や無宗教で見送る)場合は、納骨を断られる場合があります。
またどうしていいかわからなかったり、希望がない場合も、実家の宗教をもとに決めるケースが多いです。
実家の宗教があれば、もともと付き合いのあるお寺や神社があって、お願いもしやすいですね!
③宗教によるお葬式を望まない人
無宗教でお葬式を行うケースも増えて来ました。
まだまだ一般的とまでは言えませんが、宗教によらずに行うことがあります。
筆者の肌感覚では神道やキリスト教で行うお葬式より多いイメージです。
信仰していない宗教でお葬式をあげるよりも真っ当と考える人が増えてもおかしくないのかもしれません。
④とりあえずお経が欲しいので仏教を希望する人
お葬式といえば、お坊さん!お経!戒名!ナムアミダブツ!
こういうイメージは日本人なら多くの方が持っていますよね?
実際お葬式といえば仏教形式で催されることが大半です。
意味はわからないけどお葬式はお経を聞いてじっとしているのが大切!成仏してもらわなきゃ!
それってなんのために?
わかりません!でもお坊さんにおがんで欲しい!
実際、こういうケースも少なくありません。
この場合は葬儀社からお経を上げてくれる寺院を紹介してもらえるケースがあります。
送る側の気持ちが全面に出る部分ですので、あらかじめ考えておいてもよいでしょう。
信仰する宗教がある人ない人
ここまで、いかがでしょう?
『宗教』。日常的に関わっていますか?
日本人の我々には馴染みの少ない方も多いと思います。
生まれた環境によっては毎月お寺さんがおうちにお参りに来る方もいらっしゃると思いますが、そういう家庭は年々減っているでしょう。
核家族になり後継ぎでさえ実家を離れることが多い今の時代、それは当然のことです。
新しく引っ越した先でお寺や神社、教会と深い繋がりを持つ機会は少ないね
日本では祝日やイベントが宗教起源のものも多いと思いますが、そこから信仰につながることは少ないですよね。
今の日本では積極的に自ら宗教的な考え方を模索していかないと、宗教信仰に至ることは少ないでしょう。
無信仰者はお葬式の時に宗教をどう選ぶべきか
ところで、普段信仰している宗教がないのにお葬式だけ宗教の力を借りるというのはどういうことでしょうか。
信仰していない考え方に沿った死生感で見送ることにどんな意味があるのでしょう。
こう言うと無信仰での仏教葬式を批判しているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
宗教に触れる機会、学ぶ場となっているのも事実だからです。
なんとなく戒名が無いのが不安だから、お経をあげてもらわないとダメな気がするから。
こういう理由で仏教を選択する人が減れば、ますます宗教と関わる機会は減るでしょう。
ただやはり本当は、信仰する宗教の考え方で送るからこそ、その儀式に意味が宿るものだと思います。
宗教によらないお葬式(無宗教)
ひと言で無宗教のお葬式と言っても内容は多種多様です。
仏教や神道などと違って目的が決まっていないからです。
仏教でしたら、仏弟子になる、供養を積んで極楽浄土で良い待遇を受ける。
神道ならおうちの守り神になってもらう。
などというような道筋が無宗教にはありません。
あるのはお別れをしたい気持ちのみです。
決まりはないので何をやってもよく、何もしなくても良いのです。
お別れの行動として柩にお花を手向けることは無宗教を含むどの宗教でもやっているね!
お葬式を宗教を通して行うということ(仏教)
仏教:『ほとけさま』ですね。
死後の世界があり、その世界で使う名前『戒名』(法名)を僧侶の資格をもったお寺さまからいただきます。
現世でよい行いをしている方が、死後の世界でよい待遇を受けられる、といった考えがあります。
考え方は仏教でも各宗派によって違います。
追善供養の考えもあり、亡くなった後も定期的に法事を行うことによって、生きているものは故人に貢献することができます。
お葬式を宗教を通して行うということ(神道)
神道:『かみさま』ですね。
身体は神様からの借り物。死後は魂は生きていて家の氏神様になってもらう、という考え方です。
死後、戒名をもらい戒律を守りながら極楽浄土を目指す仏教と違い、敬意から諡(おくりな)という死後の名前で呼びます。
死後の荒ぶる魂を、神饌物(お供え)をして落ち着いてもらい、魂の入れ物であった肉体は注連縄(しめなわ)で結界を張り周囲にけがれが及ばないようにして火葬します。
仏教と同じように定期的に霊祭、式年祭(仏教でいう法要のこと)があります。
お葬式を宗教を通して行うということ(キリスト教)
キリスト教:『イエスキリストさま』ですね。
死後は神のもとで安らかになる、もしくは、神のもとで罪を告白し永遠に生きる、ことになります。(宗派による)
このような考えにもとづいていることから、『死ぬ』ということ自体悲しいことではなく、喜ばしい祝福されることということになります。
仏教や神道よりも『死』に対してプラスのイメージと言えるかもしれません。
普段からキリスト教の集会に参加している方々が宗教者(神父さん、牧師さん)を呼んで行うことが多いです。
逆に申せば、普段信仰していないのに亡くなってからキリスト教式で送り出したいと思っても難しいケースがあります。
教会にもよってお葬式の方法が違うことが多く、都度確認が必要です。
仏教や神道と同じく死後の集会(法要)があります。
お葬式の宗教の選び方
①宗教の力を借りて送る
②宗教によらずに送る
まずはこの部分から考えましょう。
今の時代、絶対にこうすべき!というルールはありません。
亡くなった故人と残った遺族、双方が納得して送れる方法を探しましょう。
そしてお葬式をしたから、火葬が終わったから、と言って全てが終わるわけではありません。
お骨を手元に置くのもよし。
本人が希望する宗派のお寺の本山に連れていくもよし。
宇宙にもお骨を連れていくことのできる時代です。
これだけ選択できるのは、今の時代だからこそ。
お骨が宇宙に行ったり海に撒いたりネックレスにしたり、選択肢が多い!有難いことですね!
元気なうちから考えて、悔いのない最期を見送るもしくは迎えられたらと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです!
ではまた!
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