終活はいつから?20代〜70代の始めどきと最初にやること

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この記事でわかること

この記事では、次のようなことを解説します。

  • 終活はいつから始めればいいのか
  • 20代・30代で終活を考えるのは早すぎるのか
  • 40代・50代・60代・70代以降でやることの違い
  • 終活で最初に何から始めればいいのか
  • 葬儀屋の視点で見た、家族が後悔しないための準備
Preparing for a thoughtful future

3行まとめ

終活は、死ぬ準備ではなく、人生の終わりに向けて後悔を減らすための整理です。
20代・30代は、もしもの時に家族やパートナーが困らない情報整理からで十分です。
40代以降は、感謝を伝えること、自分の希望を残すこと、家族が動ける準備を少しずつ進めていきましょう。

終活はいつから始める?結論は「気になった今」でいい

「終活って、いつから始めればいいんですか?」

葬儀や終活の相談を受けていると、この質問をいただくことがあります。

結論から言うと、終活は気になった今が始めどきです。

終活というと、葬儀やお墓、相続の準備を思い浮かべる方も多いと思います。

もちろん、それも大切です。

ただ、私は終活をもう少し広く考えています。

終活とは、人生の終わりに向けて、後悔を少しでも減らすための整理です。

身近な人に感謝を伝える。
持ち物や書類を整理する。
スマホや口座、保険の情報をまとめておく。
自分の希望を少しだけ言葉にしておく。
これからの時間をどう過ごしたいか考える。

そうしたことも、立派な終活です。

終活は「死ぬ準備」だけではありません。

これからの暮らしを整え、最後に向けて後悔を減らしていく作業です。

日常の中で感謝を伝えることも、終活の一つです。
家族との時間や「ありがとう」を大切にしたい方は、日常を大切にすることも終活|葬儀屋パパが感じた家族時間とありがとうも参考にしてください。

だから、何歳から始めるべきかに正解はありません。

「少し気になる」
「親のことを考え始めた」
「家族に迷惑をかけたくない」
「自分のこれからを整理したい」

そう思った時が、終活を始めるタイミングです。

終活は何歳から?20代〜70代でやることは変わる

終活は、何歳から始めても構いません。

ただし、年代によってやることは変わります。

20代・30代で、葬儀やお墓のことまで細かく決める必要はありません。
まずは、緊急連絡先、スマホ、保険、口座、サブスクなど、もしもの時に周りの人が困りやすい情報を整理するだけでも十分です。

40代以降になると、自分のことだけでなく、親の介護や相続、葬儀、お墓のことも少しずつ現実的になってきます。

50代は、終活を始めるにはかなり良い時期です。
まだ体力も判断力もあり、親世代の終活を見ながら、自分のことも考えやすくなるからです。

年代別に見ると、目安は次のようになります。

年代終活の考え方最初にやること後悔を減らすために残したいこと
20代終活というより、もしもの備え緊急連絡先、スマホ、保険確認大切な人への連絡先、伝えたいこと
30代家族やパートナーを困らせない整理口座、保険、サブスク、ローン整理家族が知らない契約や連絡先
40代自分と親の両方を意識する時期親の連絡先、保険、医療希望の確認親への感謝、自分の医療や介護の希望
50代終活を始めるのにちょうどいい時期エンディングノート、葬儀・お墓の希望整理感謝、呼んでほしい人、葬儀の大まかな希望
60代希望を具体化する時期相続、遺言書、葬儀社相談、住まいの整理財産、宗教、葬儀費用、納骨先の考え方
70代以降家族が動ける状態にしておく時期書類の場所、依頼先、緊急連絡先の明確化亡くなった直後に連絡する順番と依頼先

この表は、あくまで目安です。

大切なのは、年齢に合わせて全部やることではありません。
今の自分に関係があるところから、ひとつだけ始めることです。

終活は、完璧に完成させるものではありません。

後悔を減らすために、少しずつ整えていくものです。

葬儀屋の視点で見ると、終活は「家族の後悔を減らす準備」でもある

葬儀屋として現場でご家族と向き合っていると、終活の大切さを感じる場面があります。

それは、葬儀の内容が完璧に決まっていなかった時ではありません。

むしろ多いのは、

「本人はどうしてほしかったんだろう」
「この人にも知らせた方がよかったのかな」
「遺影はこの写真でよかったのかな」
「お寺のことを誰に聞けばいいんだろう」

と、ご家族が迷う場面です。

もちろん、すべてを細かく決めておく必要はありません。

ただ、少しだけでも本人の考えが残っていると、家族は判断しやすくなります。

終活は、自分の後悔を減らすためのものです。
同時に、残された家族の後悔を減らすためのものでもあります。

だから私は、終活を始めるなら、まずは難しい制度よりも、次のようなことからで十分だと思っています。

  • 誰に感謝を伝えたいか
  • 誰に連絡してほしいか
  • どんな形で送ってほしいか
  • 家族に何を残しておきたいか
  • 大切な書類や情報がどこにあるか

終活は、人生を閉じるためだけの準備ではありません。

残りの時間をどう過ごしたいかを考え、家族が困らないように整えておくための準備です。

葬儀の場面で家族が困りやすいこと

終活を始めるときは、難しい制度や専門用語から入らなくても大丈夫です。

まずは、葬儀の場面で家族が困りやすいことから逆算してみましょう。

家族が困りやすいこと最低限、残しておきたいこと
誰に連絡すればいいかわからない親族、友人、勤務先など連絡してほしい人
宗教・宗派がわからない菩提寺、宗派、お付き合いのある寺院の有無
安置先を決められない自宅に帰りたいか、葬儀社の安置施設でよいか
葬儀の規模で迷う家族だけでよいのか、友人にも知らせたいのか
遺影写真を探せない候補写真の場所、スマホ内の保存先
葬儀費用の目安がわからない会員制度、事前相談、保険、葬儀用資金の有無
お墓・納骨先がわからないお墓の場所、納骨堂、樹木葬、未定なら未定と書く

全部を決める必要はありません。

たとえば、葬儀の希望がまだ決まっていないなら、

「家族だけで静かに送ってほしい気がする」
「友人には知らせてほしい」
「お寺のことは〇〇さんに確認してほしい」
「お墓のことはまだ決めていない」

という程度でも十分です。

葬儀屋として現場で感じるのは、希望が完璧に決まっていないことよりも、家族が何も知らないことの方が負担になりやすいということです。

終活は、完成度よりも、家族が最初の一歩を踏み出せるかが大切です。

20代の終活は「死の準備」ではなく、もしもの備え

20代で「終活」と聞くと、かなり重く感じると思います。

それは自然な感覚です。

20代で、葬儀の形式やお墓のことまで細かく決める必要はありません。
むしろ、そこまで決めようとすると、現実味がなくて続かないと思います。

20代で考えたいのは、終活というよりもしもの備えです。

たとえば、次のようなことです。

  • 緊急時に連絡してほしい人
  • スマホやパソコンのロックに関する考え方
  • 加入している保険の有無
  • 使っている銀行口座
  • サブスクや有料サービス
  • 一人暮らしの場合、勤務先や大家さんなどの連絡先

若い方の場合、葬儀の希望よりも先に、誰に連絡してほしいかの方が大切です。

事故や急な入院があったとき、家族が連絡先を知らない。
スマホの中に必要な情報があるのに、開けない。
一人暮らしで、勤務先や友人関係が家族に伝わっていない。

こうしたことは、年齢に関係なく起こります。

20代の終活は、人生の終わりを考える作業ではありません。

もしもの時、周りの人が困らないようにする生活の整理です。

そして、もうひとつ大切なのは、感謝を後回しにしすぎないことです。

「まだ若いから、いつでも言える」

そう思っていることほど、意外と言えないまま時間が過ぎることがあります。

親、祖父母、友人、パートナー。

今すぐ大げさな手紙を書く必要はありません。
でも、誕生日や帰省、何気ない会話の中で「ありがとう」と伝えることも、広い意味では終活です。

終活は、最後のためだけにするものではありません。

今の人間関係を少し整えることも、後悔を減らす準備になります。

30代の終活は、家族やパートナーを困らせない情報整理から

30代になると、生活の責任が少しずつ大きくなります。

結婚、出産、住宅ローン、保険、転職、独立。
人によって状況は違いますが、20代よりも管理するものが増えやすい年代です。

この時期の終活で大切なのは、家族やパートナーが困らないように情報をまとめておくことです。

特に整理しておきたいのは、次のようなものです。

  • 銀行口座
  • 保険
  • クレジットカード
  • 住宅ローン
  • 車やバイクのローン
  • サブスク
  • スマホやパソコン
  • 子ども関係の連絡先
  • 勤務先や取引先の連絡先

スマホやクラウドで情報を残したい方は、紙だけに頼らず、家族が見つけられる形にしておくことも大切です。
詳しくは、クラウド型エンディングノートは便利?紙・Googleドキュメント・専用アプリの使い分けで整理しています。

ここで大事なのは、金額まで細かく書かなくてもいいということです。

最初は、

「どこの銀行を使っている」
「どこの保険に入っている」
「何のサブスクを契約している」

という“存在”だけでも構いません。

家族が一番困るのは、金額の大小よりも、そもそも何があるのかわからないことです。

葬儀の現場でも、亡くなった後にご家族が、

「保険に入っていたはずだけど、どこの保険会社かわからない」
「口座がどこにあるかわからない」
「葬儀費用に使えるお金があるのかわからない」

と困ることがあります。

30代の終活は、死に向かう準備ではありません。

家族を守るための、情報整理です。

子どもがいる方なら、もしもの時に誰へ連絡してほしいか、保育園や学校、かかりつけ医、親族の連絡先なども残しておくと安心です。

また、パートナーがいる場合は、すべてを一人で抱え込まないことも大切です。

「自分に何かあった時、この情報はどこにあるか」

それだけでも共有しておくと、残された家族の不安はかなり減ります。

40代の終活は、自分と親の両方を意識する時期

40代になると、終活の意味が少し変わってきます。

自分自身の将来だけでなく、親の介護、親の葬儀、相続、実家の整理などが現実味を帯びてくる時期です。

この年代で大切なのは、自分の終活と親の終活を分けて考えることです。

親のことが気になり始めると、自分の準備は後回しになりがちです。

でも、親の終活を考えることは、自分の終活を考えるきっかけにもなります。

たとえば、親について確認しておきたいのは次のようなことです。

  • かかりつけ医
  • 緊急連絡先
  • 保険
  • 年金や口座
  • お墓の場所
  • 菩提寺や宗派
  • 葬儀についての希望
  • もしもの時に連絡してほしい親族

ここで、いきなりお金や相続の話から入ると、親が身構えることがあります。

最初は、

「何かあった時、誰に連絡したらいい?」
「お寺さんとの付き合いってある?」
「お墓のこと、今のうちに聞いておいた方がいいかなと思って」

くらいの聞き方で十分です。

葬儀屋の視点で見ると、親族関係やお寺の情報がわからないと、ご家族がかなり迷うことがあります。

特に、菩提寺があるのかないのか。
お付き合いのある宗教者がいるのか。
お墓がどこにあるのか。

このあたりは、亡くなった後に急いで確認しようとすると大変です。

40代の終活は、親にすべて決めてもらうことではありません。

親の希望を少しずつ聞きながら、自分自身も「家族に何を残しておけば助かるか」を考える時期です。

50代の終活は「まだ早い」ではなく、ちょうどいい

50代は、終活を始めるにはかなり良い時期です。

「まだ元気なのに、終活なんて早い」と感じる方もいると思います。

でも、実際には50代こそ、終活を始めやすい年代です。

理由は、まだ体力も判断力もあり、現実的に動けるからです。

60代、70代になってからでも終活はできます。
ただ、体調や家族状況によっては、片付け、書類整理、相談、手続きがしんどくなることがあります。

50代なら、まだ自分で選びやすい。
調べる力もある。
家族と話し合う時間も取りやすい。

だから、50代の終活は「早すぎる」のではなく、ちょうどいい準備だと思います。

50代で考えたいことは、次のようなものです。

  • エンディングノートを書き始める
  • 医療や介護の希望を整理する
  • 葬儀の大まかな希望を考える
  • お墓や納骨の考え方を整理する
  • 保険や口座を見直す
  • 不要なものを少しずつ減らす
  • 家族に感謝や希望を伝える

ここで大事なのは、完璧に決めきらないことです。

葬儀についても、

「家族葬がいい」
「友人にも知らせてほしい」
「宗教儀式はしてほしい」
「無宗教でもいい」
「お金はあまりかけなくていい」
「写真はこのあたりから選んでほしい」

この程度でも、家族にとっては大きな手がかりになります。

実際の葬儀相談でも、ご本人の希望が少しでも残っていると、ご家族の迷いは減ります。

逆に、何もわからない状態だと、

「これでよかったのかな」
「もっと呼ぶべき人がいたのでは」
「本人はこの形を望んでいたのかな」

という後悔が残りやすくなります。

50代の終活は、自分のためだけではありません。

これからの人生を整えながら、将来の家族の迷いを減らす準備でもあります。

60代の終活は、希望を具体的にしていく時期

60代になると、終活は少し具体的になります。

退職、年金、住まい、介護、相続、葬儀、お墓。
考えることが増えますが、一気に全部やる必要はありません。

まずは、自分の希望を言葉にしていくことが大切です。

たとえば、

  • どこで暮らしたいか
  • 介護が必要になった時、誰に相談してほしいか
  • 延命治療についてどう考えているか
  • 葬儀はどのくらいの規模がよいか
  • 宗教者を呼んでほしいか
  • お墓や納骨について希望があるか
  • 大切な書類はどこにあるか

こうしたことを、少しずつ整理していきます。

60代以降は、必要に応じて専門家に相談することも増えてきます。

相続や遺言書は、税理士、司法書士、行政書士、弁護士などの専門分野です。
介護や医療は、地域包括支援センターや医療機関に相談する場面もあります。
葬儀やお墓については、葬儀社や霊園、寺院に確認することもあります。

ただし、最初から専門家めぐりをする必要はありません。

まずは、家族に伝えるためのメモを作る。
わからないことを一覧にする。
不安な項目だけ相談する。

このくらいで十分です。

葬儀についても、事前相談をしたからといって、必ずその葬儀社に決めなければいけないわけではありません。

費用の目安を知る。
家族葬と直葬の違いを聞く。
安置場所や式場の考え方を知る。

それだけでも、もしもの時の不安は減ります。

60代の終活は、人生を閉じる準備ではなく、自分で選べるうちに希望を整理する準備です。

70代以降の終活は、家族が動ける状態にしておく時期

70代以降の終活で大切なのは、家族が実際に動ける状態にしておくことです。

この年代になると、「何を希望するか」だけでなく、その情報が家族に伝わるかが重要になります。

どれだけ丁寧にエンディングノートを書いていても、家族がその存在を知らなければ使えません。

大切なのは、次のようなことです。

  • エンディングノートの保管場所
  • 保険証券や通帳などの書類の場所
  • かかりつけ医
  • 緊急連絡先
  • 葬儀社やお寺への相談歴
  • お墓や納骨先の情報
  • 親族や友人への連絡先
  • 葬儀費用に使うお金の考え方

70代以降は、細かい希望をすべて書くよりも、家族が最初に困らない情報を優先するとよいです。

たとえば、

「何かあったら、まず長男に連絡してほしい」
「お寺は〇〇寺に連絡してほしい」
「写真はこのアルバムから選んでほしい」
「葬儀は家族中心でよい」
「お墓は〇〇霊園にある」

このような情報があるだけで、家族はかなり動きやすくなります。

葬儀の現場では、亡くなった直後から確認することが続きます。

どこに安置するか。
宗教者に連絡するか。
誰に訃報を知らせるか。
葬儀の規模をどうするか。
遺影写真をどうするか。

その時に、本人の希望や情報が少しでも残っていると、家族は判断しやすくなります。

70代以降の終活は、完璧な準備を目指すより、家族が迷わず一歩目を踏み出せる状態を作ることが大切です。

終活は何から始める?最初はエンディングノート1ページでいい

終活を始めようと思っても、

「何から手をつければいいのかわからない」
「やることが多そうで不安」
「全部書き出すのは大変そう」

と感じる方は多いと思います。

結論から言うと、最初はエンディングノートを1ページだけ書くくらいで十分です。

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終活を始めるなら、まずは一冊だけノートを用意しておくと動き出しやすくなります。
市販のエンディングノートでも、普通のノートでも構いません。大切なのは、完璧に書くことではなく「家族が見つけられる形で少し残すこと」です。
迷う方は、書きやすそうなエンディングノートや、書類をまとめられるファイルを一つ選んでおくと始めやすくなります。

具体的に何を書けばよいか迷う方は、エンディングノートの書き方|家族が本当に助かる項目を葬祭ディレクターがやさしく解説で、優先して書きたい項目を整理しています。

最初から、葬儀、相続、介護、医療、お墓、財産、スマホ、保険、親族関係まで全部整理しようとすると、ほとんどの人は途中で止まります。

終活は、完璧に完成させるものではありません。

まずは、家族が困りやすいところから少しだけ書いてみましょう。

たとえば、最初の1ページに書くなら、次のような内容で十分です。

  • 緊急時に連絡してほしい人
  • 加入している保険会社
  • よく使っている銀行
  • かかりつけ医
  • 家族に伝えておきたいこと
  • 葬儀についての大まかな希望
  • 大切な書類の保管場所

これだけでも、もしもの時に家族が探す時間を減らせます。

特に大切なのは、**「存在」と「場所」**です。

保険があるのか。
口座があるのか。
お寺との付き合いがあるのか。
お墓があるのか。
大事な書類はどこに置いてあるのか。

金額や細かい内容まで完璧に書けなくても、まずは「ある」「ここに置いている」とわかるだけで、家族は動きやすくなります。

エンディングノートは、きれいに仕上げるためのものではありません。

自分の考えや情報を、家族が見つけられる形にしておくための道具です。

親の終活はいつから話す?お金より連絡先から聞く

自分の終活以上に難しいのが、親の終活です。

「そろそろ終活しておいた方がいいんじゃない?」
「葬儀のこと、考えてる?」
「相続ってどうなってるの?」

このように正面から聞くと、親が身構えてしまうことがあります。

親の終活を話す時は、いきなりお金や相続、葬儀の話から入らない方がいいです。

最初は、もしもの時の連絡先から聞くのが自然です。

たとえば、こんな聞き方です。

「もし急に入院した時、誰に連絡したらいい?」
「親戚で、何かあったら知らせてほしい人っている?」
「お寺さんとの付き合いって、今もある?」
「お墓の場所、ちゃんと聞いてなかったから教えておいて」
「保険証券とか大事な書類って、どこに置いてる?」

このくらいなら、親も比較的答えやすいです。

葬儀の現場でも、親族の連絡先やお寺の情報がわからず、ご家族が困ることがあります。

特に確認しておきたいのは、次のようなことです。

  • もしもの時に連絡してほしい親族
  • 菩提寺や宗派
  • お墓の場所
  • 保険や年金関係の書類の場所
  • かかりつけ医
  • 介護や入院時の希望
  • 葬儀についての大まかな考え

ここで大切なのは、親に全部を決めさせようとしないことです。

親の終活は、親を追い詰めるための話ではありません。

いざという時に、家族が慌てず動けるようにするための確認です。

「お父さん・お母さんが困らないように」
「私たちが間違えないように」
「急な時に慌てないように」

この言い方にすると、話し合いの温度が少しやわらぎます。

親の終活は、完璧な家族会議から始める必要はありません。

帰省した時、病院の付き添いの後、親戚の法事の後など、自然に話せるタイミングで少しずつ聞いていけば大丈夫です。

親への切り出し方をもう少し詳しく知りたい方は、親の終活はどう切り出す?気まずくならない話し方と聞いておくこともあわせて読んでみてください。

終活を始めるときに、やりすぎなくていいこと

終活を始めようとすると、まじめな人ほど一気に全部やろうとします。

でも、最初からやりすぎなくて大丈夫です。

終活は、短期間で完成させる宿題ではありません。

暮らしや家族の状況に合わせて、少しずつ更新していくものです。

特に、最初から無理にやらなくていいのは次のようなことです。

  • いきなり葬儀社を決めること
  • いきなり遺言書を書くこと
  • いきなり家族会議を開くこと
  • いきなり家中の物を片付けること
  • いきなり相続や税金を全部理解すること
  • いきなりお墓や納骨先を決めること

もちろん、必要な人は早めに進めた方がいい場合もあります。

ただ、多くの人にとって最初の一歩は、もっと小さくて大丈夫です。

まずは、

「大切な書類はここにある」
「何かあったらこの人に連絡してほしい」
「葬儀は家族中心でいいと思っている」
「お墓のことはまだ決めていない」
「延命治療については、また家族と話したい」

このくらいのメモで十分です。

終活で大事なのは、全部を決めることではありません。

何もわからない状態を少しずつ減らすことです。

葬儀屋として現場で感じるのは、ご家族が一番困るのは「完璧な希望がないこと」ではなく、何も手がかりがないことです。

少しでも本人の考えが残っていれば、家族は判断しやすくなります。

だから、終活は小さく始めていいのです。

終活は一度書いたら終わりではなく、見直していい

終活は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。

むしろ、変わって当然です。

年齢、健康状態、家族関係、住まい、仕事、お金の状況。
人生の状況が変われば、希望も変わります。

50代で考えた葬儀の希望と、70代で考える希望が違っていてもおかしくありません。

親が元気な時と、介護が始まった後では、考えることも変わります。

子どもが小さい時と、独立した後でも、残しておきたい情報は変わります。

だから、エンディングノートや終活メモは、何度書き直しても大丈夫です。

むしろ、見直せる形で残しておく方が現実的です。

おすすめは、年に1回だけ見直すことです。

誕生日。
年末年始。
お盆やお彼岸。
保険の更新時期。
健康診断の後。

タイミングは何でも構いません。

「今の自分の考えと合っているか」
「家族に見つけてもらえる場所にあるか」
「連絡先や保険の情報が古くなっていないか」

この3つだけ確認すれば十分です。

終活は、きれいに完成させるものではありません。

今の自分に合わせて、少しずつ整えていくものです。

よくある質問

終活はいつから始めればいいですか?

終活は、何歳から始めなければいけないという決まりはありません。

「少し気になる」
「家族に迷惑をかけたくない」
「親のことを考え始めた」

そう感じた今が始めどきです。

20代・30代で終活を始めるのは早すぎますか?

早すぎることはありません。

ただし、20代・30代で葬儀やお墓まで細かく決める必要はありません。

まずは緊急連絡先、スマホ、保険、口座、サブスクなど、もしもの時に周りが困りやすい情報整理からで十分です。

50代の終活では何から始めればいいですか?

50代は、終活を始めるにはちょうどいい時期です。

まずはエンディングノートを1ページだけ書く、保険や口座を整理する、葬儀やお墓の大まかな希望を考えるところから始めるとよいでしょう。

親の終活はいつから話せばいいですか?

親が元気なうちに、少しずつ話しておくのがおすすめです。

いきなり相続や葬儀の話をするより、かかりつけ医、保険証の場所、緊急連絡先など、もしもの時に必要な情報から聞くと話しやすくなります。

終活で最初にやらなくていいことはありますか?

最初から葬儀社を決める、遺言書を書く、家族会議を開く、家中を片付ける必要はありません。

まずは「何かあった時に家族が探すもの」を減らすだけで十分です。

まとめ:終活は年齢よりも「気になった今」が始めどき

終活は、何歳から始めなければいけないという決まりはありません。

20代・30代なら、もしもの時に家族やパートナーが困らない情報整理からで十分です。

40代は、自分と親の両方を意識し始める時期です。

50代は、体力も判断力もあるうちに、自分の希望や家族への伝え方を整理しやすい時期です。

60代以降は、医療、介護、葬儀、お墓、相続などを少しずつ具体的にしていく時期になります。

ただし、どの年代でも共通して大切なのは、完璧を目指さないことです。

終活は、死ぬ準備だけではありません。

人生の終わりに向けて後悔を減らすために、身近な人へ感謝を伝え、持ち物や情報を整理し、自分の希望を少しずつ残していくことです。

そして、葬儀屋の視点で見ると、終活は残された家族の後悔を減らす準備でもあります。

本人の希望が少しでも残っていれば、家族は迷いながらも判断しやすくなります。

「これでよかったのかな」という後悔を、少しでも減らすことができます。

終活は、大きな決断から始めなくて大丈夫です。

まずは、連絡先をひとつ書く。
大切な書類の場所をメモする。
家族に「ありがとう」と伝える。
エンディングノートを1ページだけ書いてみる。

その小さな一歩が、これからの暮らしと、いつかの家族を支える準備になります。

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