香典相場の早見表と正しい書き方(表書き・中袋・連名まで)

迷ったら、関係×あなたの立場×場面で決める。数字だけでなく気持ちと現実の折り合いをつけるのがコツ。

この記事でわかること

・関係別・年代別・法要別の香典相場の基準レンジ
・香典袋の選び方(水引・蓮の有無・黄白の地域差)
・表書きの使い分け(御霊前/御仏前/神道/キリスト教)
・中袋・連名の正しい書き方と、欠席・郵送のマナー

3行まとめ

・相場は「関係の近さ」が軸。年代・人数(夫婦/一同)で微調整。
・表書きは宗派と時期で選ぶ。真宗は最初から御仏前。
・中袋は大字で金額を書く。迷いが出やすい端数や偶数は本文の基準に寄せれば十分。

香典の相場早見表(関係×単身の目安)


まずは“関係”で大枠を決める。ここから年代や人数で少し上下させる。

親      5万〜10万円
配偶者の親  3万〜5万円
祖父母    1万〜3万円
兄弟姉妹   3万〜5万円
おじ・おば  1万〜3万円
いとこ    1万〜2万円
姪・甥    5千円〜1万円
友人・同級生 5千円〜1万円
ご近所・町内 3千円〜5千円
恩師     5千円〜1万円
職場の上司  5千円〜1万円
同僚・部下  5千円〜1万円
取引先関係  5千円〜1万円(会社方針に従う)


・偶数や端数に神経質になりすぎない。4や9など忌み数は避ける。2万円は関係が近ければ実務上よく使われる。
・家族葬や香典辞退の記載がある場合は従う。辞退でも供花や弔電という選択肢は残る。

👉通夜から告別式までの流れを確認

👉一周忌の段取りチェック

夫婦・家族連名の考え方


・夫婦で参列=単身の目安を1.5倍〜2倍に。例:友人なら1万〜2万円。
・家族連名=世帯として一包みに。子の名は中袋に併記で十分。

年代・状況での微調整


背伸びしすぎないこと。生活を圧迫しない範囲で誠実に。

・20代=友人5千円〜1万円、親族は1万〜3万円。
・30〜40代=友人1万円、親族は関係に応じて1万〜5万円。
・50〜60代=親族は3万〜10万円の幅が広がる。
・学生・年金生活者=無理のない額で。手紙や弔電を添えると気持ちが伝わる。

法要ごとの相場


告別式と同額ではない。法要は幅をもって判断する。

四十九日(満中陰) 5千円〜1万円(近親は1万〜3万円)
一周忌       5千円〜1万円(近親は1万〜3万円)
三回忌以降     3千円〜5千円(近親は5千円〜1万円)
百箇日       3千円〜5千円
納骨式       5千円〜1万円
初盆        3千円〜1万円(地域差が大きい)

👉四十九日の準備と当日の流れ

会社・取引先の香典


職場は「会社の方針」が最優先。迷ったら総務

・上長に確認。

・会社一同でまとめる場合=代表者名+有志一同。個人は重ねない。
・個人で出す場合=上司・同僚ともに5千円〜1万円が目安。
・取引先=会社方針に沿う。芳名カードは会社名→部署→氏名の順。

👉直葬・家族葬の香典辞退の考え方

金額のNG/Niceガイド


迷いを断つための基準。

・2000円/3000円=3千円は最少ラインとして現実的。2千円は避ける。
・2万円=偶数だが実務では可。3万円に届かないが1万円では軽いときの現実解。
・4や9の単位は避ける。新札は避け、折り目のあるお札を使う。

香典袋の選び方


水引・蓮・黄白は“地域と宗派”で決める。迷ったら黒白の結び切りで問題ない。

・水引=黒白または双銀の結び切りが一般的。
・黄白=関西や一部地域で用いられる。地域慣習があるならそちらに合わせる。
・蓮の有無=仏式は蓮ありでも可。神道・キリスト教は蓮なし無地を。
・表面の柄が派手なものは避け、質素なものを選ぶ。


PR:迷ったらこれで十分な不祝儀袋セット

必要なものだけ。派手な意匠は避け、結び切りを選べば安心です。

表書きの使い分け


宗派と時期で選ぶと迷わない。

・仏式(一般)=四十九日まで御霊前、以降は御仏前。
・真宗(浄土真宗)=最初から御仏前。
・神道=御玉串料/御霊前。
・キリスト教=御花料。
・どれか不明なら御香典でも失礼には当たらない。

👉お経の意味をやさしく解説

中袋の書き方


住所・氏名・金額は“大字”で整える。落ち着いて一つずつ。

・金額は大字で書く=金 参萬円也/金 壱萬円也/金 伍仟円也
・大字の一覧=壱・弐・参・伍・拾・佰・仟・萬
・氏名・住所=差出人の世帯名と現住所を丁寧に。
・お札の向き=肖像が裏面・下向きになる入れ方が一般的。向きは地域差があるため、どちらかに統一できていれば礼を失しない。
・封の扱い=糊付けはしないか、薄く。上包みの折り方は袋の仕様に従う。

中袋がないタイプのとき


・上包み裏の所定欄に住所・氏名・金額を記入。欄がなければ小紙に同様に記す。

連名の書き方


夫婦は右→左。会社は代表者+有志一同が読みやすい。

・夫婦=右に夫、左に妻。姓は共通なら省略可。
・家族=世帯主を右に。人数が多い場合は代表者名+外一同。
・会社・部署連名=右に会社名、その左に部署名・代表者名。さらに「有志一同」。芳名カードでは全員名簿を別紙提出にする場合もある。

欠席・郵送・後日対応


宛名・到着タイミング・添え状の型を覚えておけば十分。

・宛名=喪家名(例:田中家 御霊前)。宗派が分かるなら御仏前などに合わせる。
・到着の目安=通夜〜葬儀前日着が理想。間に合わない場合は、終わってから一週間以内を目安に手紙を添える。
・弔電との併用=駆けつけられないときは弔電+香典の郵送が実務的。

添え状の簡易テンプレ


このたびはご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
本来であれば参列の上ご焼香申し上げるところ、やむを得ない事情により失礼いたします。
心ばかりではございますが同封の御香典をお納めください。故人のご冥福をお祈りいたします。
令和〇年〇月〇日 差出人住所・氏名

よくある質問(FAQ)

Q. 通夜と告別式で額は変えるべきですか?
A. 基本は同額で問題ありません。どちらか片方のみ参列でも、関係の近さに応じた額を一度包めば十分です。

Q. 2000円や3000円は失礼になりますか?
A. 3千円は最少ラインとして現実的です。2千円は避け、迷う場合は5千円に寄せると安全です。

Q. 49日・一周忌・納骨式の相場は?
A. 四十九日・一周忌は5千円〜1万円、近親は1万〜3万円。納骨式は5千円〜1万円が目安です。

Q. 上司や部下、取引先は会社と個人どちらで出しますか?
A. 会社方針が最優先。会社一同でまとめる場合は個人は重ねず、個人で出す場合は5千円〜1万円が実務的です。

Q. 姪・甥・内孫など続柄が遠いときは?
A. 5千円〜1万円が目安。関係が濃い・交流が深い場合は1万円に寄せるとよいでしょう。

Q. 御霊前と御仏前、いつ切り替えますか?浄土真宗は?
A. 一般には四十九日までは御霊前、以降は御仏前。浄土真宗は最初から御仏前です。

Q. 黄白の水引はいつ使うのですか?
A. 関西や一部地域の慣習です。地域に合わせるのが安心。迷えば黒白の結び切りで問題ありません。

Q. 夫婦・一同の金額と書き方は?
A. 夫婦は単身の1.5〜2倍。封筒の氏名は右に夫・左に妻。家族は代表者名+外一同で整理できます。

Q. 学生・年金生活者はどうすれば?
A. 無理のない額で。少額でも弔意が伝わるよう、添え状や弔電を添えるのがよいです。

Q. ペット供養に香典は必要?
A. 必須ではありません。弔電、花、メッセージカードなど気持ちが伝わる形で十分です。


PR:迷ったらこれで十分な不祝儀袋セット

まとめ


今日いちばん伝えたいのは、数字に正解はなくても“関係の近さ”に軸を置けば迷いは減る、ということ。
・まず関係で大枠を決め、年代・人数で微調整。
・表書きは宗派と時期。迷えば御香典でも失礼ではない。
・中袋は大字で整え、少額でも添え状で気持ちは届く。
肩の力を抜いて、できる範囲で丁寧に。十分に礼は尽くせます。

👉もしも親や身内が亡くなったとき、まず読むページ

コメント