葬儀の事前相談のメリット・デメリット|後悔を防ぐ質問と営業トークの見分け方


お葬式は予算・段取り・家族の気持ち。どれも大事。だからこそ、事前相談は安心を作る時間にします。営業トークに振り回されないコツは、同条件で比べる・持ち帰る・総額で見る。これだけで8割は整います。

3行まとめ

・事前相談のメリット:費用と流れの見える化、会場の実感、家族合意が早い。
・事前相談のデメリット:プラン名の比較錯覚、即決圧、チラシ割引の盲点。
・対策:同条件比較・持ち帰り・“総額+追加条件”で判断。


メリット

・いざという時、当日の判断が減り、家族が落ち着ける。役割分担(受付・会計・案内など)が前日までに決まる。
・会場の広さや導線を自分の体で確認できる(椅子間隔、トイレ距離、エレベーター)。
・希望(写真・音楽・オンライン配信、香典の扱い)を先に言語化できる。
→ 会場内の見方はここで復習:葬儀会館の見学チェックリスト|30分でわかる導線・設備・質問


高齢の親族がいる場合は「入口→式場→控室→トイレ」の距離を必ず歩いて確かめる。
・会食を予定するなら、席の増減締切アレルギー対応を先に聞く。


デメリットと対策

基本料金の数字だけに目が行く
 → 総額+追加条件+支払い方法で横並びに。祭壇や返礼の単価もセットで。
営業トークで即決を促される
 → 「家族で持ち帰って検討します。◯日までに連絡します」でOK。期限はこちらが決める。
チラシ割引に意識が奪われる
 → 右下の小さな脚注(人数・時間・曜日・エリア条件)を読む。条件が合わない割引は「無い」のと一緒。

関連:葬儀の事前相談アンケート完全版(初回に聞くこととチェックシート)


営業トークの見分け方(ありがちな3例)

本日限定
→ “家族合意が前提なので今日の即決はできません。見積はお持ち帰りします。”

上位プランの方が安心
→ “想定人数で必要最低限を書き出してから判断します。根拠を数字で見せてください。”

皆さんそれにされます
→ “うちの家族事情に合う根拠(席数・時間・単価)を示してください。比較は同条件で行います。”


・「無料サービス」を強調されたら、何が無料で、いつまで、人数や時間の制限は?を必ず聞く。
・担当が答えに詰まる項目こそ、費用が動くポイント


断り方テンプレ

丁重に保留
「家族で検討し、◯日までにご連絡します。見積は持ち帰ります。」
正式にお断り
「今回は条件が合わず見送ります。丁寧にご対応いただきありがとうございました。」
電話が苦手ならメール
「見積を拝見しましたが、今回は見送ります。今後比較の参考とするため、**総額の内訳(式場・返礼・会食・安置・配車・時間延長)**をPDFで残しておきます。」


事前相談に向く人/向かない人

向く人
・家族葬のイメージが固まっていない/費用枠を決めたい/高齢の参列が多い/遠方親族が多い(導線と控室の確認が大事)

向かない人
・葬儀社が既に決まっている(寺院指定・互助会・社葬など)
・宗教者や地域慣習が厳密で、式の自由度が低い(決める余地が少ない場合)


はじめる前の5分チェック

□ 目的は**“安心の見える化”と家族で共有した
□ 比較は
同条件で2社**(人数・時間・会場サイズ・返礼運用を揃える)
合意ライン(総額上限/優先順位)を家族で決めた
撮影可否の確認(入口サイン・室内広角・トイレ導線の3枚)
支払い方法(香典現金/キャッシュレス/併用)を確認
→ キャッシュレスの実務はこちら:香典はキャッシュレスでもいい?マナー・文例・受付実務【2025年版】


よくある質問(FAQ)

Q. 予約なしで当日ふらっと相談できる?
A. 可能な会館もありますが、連続施行中は難しいことがあります。予約が安心

Q. 見積は基本料金だけ見ればいい?
A. 基本料金だけでは比較できません。総額+追加条件+支払い方法で横並びが正解。

Q. 比較は何社がいい?
A.まずは 2社で十分。条件(人数・時間・会場サイズ)をそろえて比べる。

Q. どのタイミングで決める?
A. 即決は不要。家族の合意が取れたら連絡でOK。期限は自分で設定して伝える。


まとめ

即決しない、比べすぎない。
大切なのは、家族がその日を落ち着いて過ごせるか。キラキラしたパンフより、導線の近さ・控室の安心・支払いの明快さ。あなたの家族に合う“ちょうどいい”で、ゆっくり、ていねいに。


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