もう迷わない!通夜と告別式の違いを現役葬儀社スタッフがやさしく解説

通夜と告別式って、何が違うの?

そう思っている方は、きっと少なくないはずです。

初めて参列する方も、いつか大切な人を見送ることを考える方も、

いざという時に戸惑わないように、この二つの儀式の違いを知っておくことは大切です。

実は、目的・時間帯・宗教的意味合いなど、いくつかの違いがあります。

本記事では、現役の葬儀社スタッフである私が、これまでの現場経験をもとに、皆さんの疑問をやさしく・現実的に、そしてホッと安心できるようにお伝えします。

この記事でわかること

通夜と告別式の違い(目的・時間帯・参加者の中心)

どちらに参列すべきかの判断基準(仕事関係・友人・近親者)

服装・香典・焼香の基本と、略式でも失礼にならないコツ

通夜なし(一日葬)のときの考え方

迷ったときの最小リスクの動き方

3行まとめ

  • 通夜=夕方に広く弔問告別式=最終のお別れ。現代は葬儀と連続運用が一般的。
  • 迷ったら、会社・友人は通夜、近親者は告別式(または両方)が目安。
  • 服装・香典は黒基調+基本ルールでOK。案内状の指示が最優先。

通夜とは?――しめやかで温かな“最期の夜”

通夜の意味と目的

通夜とは、本来「故人と最期の夜を共にする」時間です。

仏教では一晩中線香を絶やさず過ごすものでしたが、現在では18〜19時頃から読経を行い、1時間ほどで終了する形式が主流です。

通夜の特徴と参列者の雰囲気

通夜は、仕事帰りの方も立ち寄りやすい時間帯に行われるため、一般参列者も多くなります。

そのため、告別式に比べてにぎやかになることも。

ご遺族にとっても、まだ気持ちの整理がついていない中で、多くの方の温かい心遣いや人のぬくもりにふれる時間になることがあります。

私自身も現場で、ご遺族の方が多くの弔問客に囲まれる中で、少しだけ安堵の表情を浮かべる瞬間を見かけることがあります。

マナー・香典・服装など

  • 喪服が基本(男性:黒スーツ+黒ネクタイ、女性:黒のワンピース等)
  • 香典表書き:「御香典」「御霊前」など(宗派によって異なる)
  • 香典の中身:お札は裏向きに、ふくさに包んで※袋は葬儀社に依頼すれば貰えます
  • 焼香:1〜3回が一般的、宗派ごとの違いはスタッフが案内します
  • 数珠:合掌の手に優しく添えるのが基本です※掛け方は宗派によります

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告別式とは?――故人を送る“旅立ちの儀式”

告別式とは(本来の意味と現実のかたち)

もともと宗教を問わない“お別れの儀式”を指しますが、現代の実務では仏式の葬儀(宗教儀礼)に続いて告別の時間を設けるのが一般的です。親族中心で、最後の焼香・お花入れ・お別れ・出棺まで同席する流れが多くなります。

友人でも故人と深い関係であれば告別式に参列しても差し支えありません。案内状の意図(参列希望の有無)を尊重しましょう。

流れと特徴

午前中に始まることが多く、読経・焼香・お別れの花・喪主挨拶・出棺などが行われます。

故人を見送るための厳粛な区切りの時間です。

違いの早見表

通夜と告別式の違い(要点)
項目 通夜 告別式
意味 夜に集い、故人を見守る場(近年は1時間前後の通夜式) 故人とのお別れの場。仏式では葬儀(宗教儀礼)に続けて行う
時間帯 夕方〜夜(18〜20時開始が多い) 午前〜昼
参加者 親族+会社関係・友人など広く 親族中心(縁の深い友人・関係者も可)
所要 約1時間前後 約1.5〜2時間(葬儀・告別式一連)
服装/香典 略礼装可/香典あり(地域差あり) 黒基調/香典あり(辞退の確認を優先)

※地域差・宗派差あり。案内状の指示が最優先。

告別式は親族だけの場ではない

告別式は、ご家族・ご親族はもちろん、ご友人や職場の関係者など、どなたが参列されても問題ありません。

「親族だけで…」という誤解をされる方もいますが、実際には友人・知人が参列されることも多くあります。

大切なのは、形式にこだわることより、故人を偲ぶ気持ちを持って参列することです。

参列を辞退されているかどうかは施主様の意向によります。ケースバイケースなので葬儀社に問い合わせてみましょう。

「葬儀」と「告別式」の違いも押さえておこう

  • 「葬儀」…仏教における宗教儀礼(読経、引導など)
  • 「告別式」…宗教を問わず行われるお別れの場
  • 現代では「葬儀・告別式」とセットで行うことも多い※宗派による

どちらに参列すればいいの?迷ったときのヒント

勤務先・取引先・学校関係:まず通夜。代表者が弔電・供花を手配、参列は有志で。

近しい友人・ご近所:可能なら通夜、行けない場合は告別式でも丁寧。

親族:原則通夜+告別式。体調や距離が難しければどちらか一方でも可。

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通夜だけでも来てもらえて嬉しかった。ご遺族からそう言われる場面は、本当によくあります。

通夜と告別式、両方参列する場合の注意点

香典は1回でOK?(香典辞退の場合はどうする?)

通夜で渡せばOK。告別式で改めて渡す必要はありません。(どちらで渡しても問題はありません。)

最近では、香典辞退のご意向があるケースも増えています。

その場合は「お気持ちだけで」と受け取られますので、無理に渡すことは控えましょう。

服装はどうすればいい?

服装:黒基調のスーツ・ワンピース。通夜は略礼装でも可。ストッキングは黒、ネクタイは光沢なし。

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よくある小さな疑問

Q. 通夜だけの参列は失礼?
A. 失礼ではありません。現実的な選択です。

Q. 告別式は親族だけ?
A. いいえ。友人・関係者でも参列できます(案内の意図を最優先)。

Q. 会食は不参加でもいい?
A. はい。体調や予定に合わせて式までで退出しても問題ありません。

Q. 通夜と告別式、両方は無理なときは?
A. 迷ったら通夜を優先。親族は原則どちらも。遠方・体調はどちらか一方で問題なし。

Q. 香典は通夜と告別式で2回必要?
A. 1回でOK。香典辞退がある場合はその意向を最優先。

まとめ:大切なのは“形式よりも気持ち”

通夜と告別式、それぞれに意味と役割があります。

でも一番大切なのは、形式にとらわれすぎず、心からのお別れができること。

どんな形であれ、あなたの気持ちが届くことが、

ご遺族にとっても、自分自身にとっても、優しい「心の区切り」になります。

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