通夜と告別式って、何が違うの?
そう思っている方は、きっと少なくないはずです。
初めて参列する方も、いつか大切な人を見送ることを考える方も、
いざという時に戸惑わないように、この二つの儀式の違いを知っておくことは大切です。
実は、目的・時間帯・宗教的意味合いなど、いくつかの違いがあります。
本記事では、現役の葬儀社スタッフである私が、これまでの現場経験をもとに、皆さんの疑問をやさしく・現実的に、そしてホッと安心できるような言葉でお伝えしますね。
通夜とは?――しめやかで温かな“最期の夜”
通夜の意味と目的
通夜とは、本来「故人と最期の夜を共にする」時間です。
仏教では一晩中線香を絶やさず過ごすものでしたが、現在では18〜19時頃から読経を行い、1時間ほどで終了する形式が主流です。
通夜の特徴と参列者の雰囲気
通夜は、仕事帰りの方も立ち寄りやすい時間帯に行われるため、一般参列者も多くなります。
そのため、告別式に比べてにぎやかになることも。
ご遺族にとっても、まだ気持ちの整理がついていない中で、多くの方の温かい心遣いや人のぬくもりにふれる時間になることがあります。
私自身も現場で、ご遺族の方が多くの弔問客に囲まれる中で、少しだけ安堵の表情を浮かべる瞬間を見かけることがあります。
マナー・香典・服装など
- 喪服が基本(男性:黒スーツ+黒ネクタイ、女性:黒のワンピース等)
- 香典表書き:「御香典」「御霊前」など(宗派によって異なる)
- 香典の中身:お札は裏向きに、ふくさに包んで※袋は葬儀社に依頼すれば貰えます
- 焼香:1〜3回が一般的、宗派ごとの違いはスタッフが案内します
- 数珠:合掌の手に優しく添えるのが基本です※掛け方は宗派によります
告別式とは?――故人を送る“旅立ちの儀式”
告別式の意味と役割
告別式は、故人にお別れを伝えるセレモニーです。
仏教では「葬儀」にあたる宗教儀礼(読経・引導など)と合わせて行われますが、告別式は宗派を問わず使える言葉です。
無宗教、神道、キリスト教などでも「告別式」と呼ばれることがあり、
近年では「葬儀・告別式を執り行いました」と表記されることも一般的です。
流れと特徴
午前中に始まることが多く、読経・焼香・お別れの花・喪主挨拶・出棺などが行われます。
故人を見送るための厳粛な区切りの時間です。
告別式は親族だけの場ではない
告別式は、ご家族・ご親族はもちろん、ご友人や職場の関係者など、どなたが参列されても問題ありません。
「親族だけで…」という誤解をされる方もいますが、実際には友人・知人が参列されることも多くあります。
大切なのは、形式にこだわることより、故人を偲ぶ気持ちを持って参列することです。
参列を辞退されているかどうかは施主様の意向によります。ケースバイケースなので葬儀社に問い合わせてみましょう。
「葬儀」と「告別式」の違いも押さえておこう
- 「葬儀」…仏教における宗教儀礼(読経、引導など)
- 「告別式」…宗教を問わず行われるお別れの場
- 現代では「葬儀・告別式」とセットで行うことも多い※宗派による
どちらに参列すればいいの?迷ったときのヒント
ご都合が合えば両方参列できるとご遺族も喜ばれますが、
現実にはお仕事や距離の都合で難しい方も多いはず。
通夜だけの参列でも、まったく失礼にはあたりません。
弔意が伝われば、それだけで十分です。
通夜だけでも来てもらえて嬉しかった。ご遺族からそう言われる場面は、本当によくあります。
通夜と告別式、両方参列する場合の注意点
香典は1回でOK?(香典辞退の場合はどうする?)
通夜で渡せばOK。告別式で改めて渡す必要はありません。(どちらで渡しても問題はありません。)
最近では、香典辞退のご意向があるケースも増えています。
その場合は「お気持ちだけで」と受け取られますので、無理に渡すことは控えましょう。
服装はどうすればいい?
どちらの日も同じ喪服で問題ありません。
告別式の方がフォーマル感は高いですが、形式的な違いはほとんどありません。
まとめ:大切なのは“形式よりも気持ち”
通夜と告別式、それぞれに意味と役割があります。
でも一番大切なのは、形式にとらわれすぎず、心からのお別れができること。
どんな形であれ、あなたの気持ちが届くことが、
ご遺族にとっても、自分自身にとっても、優しい「心の区切り」になります。
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