その時、家族が困らないために
「まだ若いから大丈夫」──そう思っていても、人生には突然の出来事がつきものです。事故や急な病気、思いもよらぬ入院…。そんな時に、自分の意志を残せていたら、残された家族はどれだけ助かるでしょうか?
- 「SNSのアカウントが消せない…」
- 「サブスクが止められず引き落としが続いている」
- 「ペットの世話をどうするか分からない」
これらは実際に困った例の一部。そこで注目されているのが、エンディングノートです。
エンディングノートとは?
エンディングノートは、自分の希望や大切な情報をまとめておくノートです。遺言書のような法的効力はありませんが、家族へのメッセージや、医療・介護・葬送に関する希望、財産や連絡先、パスワードなどを書き残すことで、「伝えたかったこと」がきちんと伝わる手助けになります。
そしてそれは、未来の自分のためにもなるもの。
まるで「ありがとう」と「だいじょうぶ」を一緒に残す手紙のようなものかもしれません。
なぜ若いうちに?──「今を大切にする準備」になる
「終活」は高齢の方がするもの──そんなイメージ、ありませんか? けれど最近では、20代・30代で自分の人生を見つめ直すツールとして、エンディングノートを書く若者も増えています。
- 急な事故や入院に備えて
- 恋人やパートナー、家族との関係を整えておくため
- 「推し」や趣味など、自分らしい情報を残したい
書いてみると、今の自分が何を大切に思っているのかが見えてくる──そんな声も多いんです。
書き始めるための簡単ステップ
難しく考える必要はありません。まずは1行からでも大丈夫。スマホのメモ機能でもOKです。
たとえば、こんなことから
- もしも意識がなくなったら、延命治療は希望しますか?
- ペットの預け先は?
- 自分が大切にしていることは何ですか?
- SNSやパソコンのパスワードはどうしますか?
何から書けばいいか分からない時は、「もし家族が自分の代わりに何かを決めなければいけないとしたら?」と想像してみるといいかもしれません。
実際にあったエピソード
- 旅行先で急病になった女性。スマホのメモに緊急連絡先とアレルギー情報があって、病院の対応がスムーズに。
- 大切にしていたペットの世話をどうするか、友人に託す旨を書いていたことで、家族も迷わず対応できた。
- 推し活グッズの処分について「捨てないで、ゆっくり見てからでいいよ」とメモにあって、家族が涙した──そんなことも。
あなたらしいノートにするために
エンディングノートは、遺言書ほど厳密ではなくルールも形式も自由です。
- 手書きでも、スマホでも
- テンプレートを使っても、自作してもOK
- 書きたい項目だけ、書けるときに
たとえばこんな項目から始めてみては?
- 自分のプロフィール(誕生日、血液型、緊急連絡先など)
- 今大切にしていること、好きなもの
- 家族や大切な人へのメッセージ
- 医療や介護、葬儀に関する希望(あれば)
- SNSやサブスク、ネットサービスの整理
まとめ:未来の自分と、大切な人への「優しい備え」
エンディングノートは、「もしもの時」のためだけではなく、今を大切に生きるための道しるべでもあります。
書くことで、改めて自分の大事なものが見えてくる。伝えたかった感謝や、ちょっとしたお願いも、素直に言葉にできる。そんな自分らしさを大切にした手紙を書いてみませんか?
今日のあなたのひとことが、未来の誰かの安心になるかもしれません。
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