この記事でわかること
- エンディングノートを最初に何から書けばいいか
- 今日15分で始めるための考え方
- 家族が本当に助かる最初の3項目
- 好きなもの・会いたい人など“本人らしさ”の残し方
- 紙・スマホ・アプリで始めるときの注意点

3行まとめ
- エンディングノートは、最初から全部書かなくて大丈夫です。
- まずは「連絡先」「医療・介護」「葬儀やお別れの希望」の3つだけでも役に立ちます。
- 好きなものや大切な人を書いておくと、家族が“その人らしい選択”をしやすくなります。
エンディングノートは、全部書かなくていい
エンディングノートを書いた方がいい。
そう聞いたことはあっても、いざ始めようとすると、
「何から書けばいいの?」
「全部きれいに埋めないといけないの?」
「家族に見られると思うと、少し恥ずかしい」
と手が止まってしまう方は多いです。
でも、エンディングノートは最初から完璧に書くものではありません。
まずは、もしもの時に家族が最初に困りやすいことだけを書けば十分です。
大切なのは、立派なノートを完成させることではありません。
家族が困ったときに、必要な情報へたどり着けること。
ここが一番大事です。
最初に書くのは、家族が迷いやすいこと
エンディングノートで最初に書くべきなのは、自分史や細かな思い出ではありません。
もちろん、それも大切です。
ただ、もしもの時に家族が最初に困るのは、もっと実務的なことです。
たとえば、
- 誰に連絡すればいいのか
- かかりつけの病院はどこか
- 宗教やお寺との付き合いはあるのか
- 葬儀は家族中心でよいのか、友人にも知らせたいのか
- 保険証や大切な書類はどこにあるのか
こうした情報が分かるだけで、家族の負担はかなり軽くなります。
葬儀社の現場でも、ご家族が悩まれるのは「立派な希望が残っていないこと」ではありません。
むしろ、
「本人は何を望んでいたのか、何も分からない」
という状態です。
だからこそ、最初のエンディングノートは“人生のすべてを書くノート”ではなく、家族が迷わないためのメモくらいで考えて大丈夫です。
今日15分で書くなら、この3つから
エンディングノートを今日から始めるなら、まずは次の3つだけで十分です。
緊急連絡先
まずは、もしもの時に連絡してほしい人を書きます。
家族、親族、親しい友人、勤務先、かかりつけ医などです。
名前だけでなく、電話番号や関係性も書いておくと分かりやすくなります。
特に、家族が知らない友人や、本人しか連絡先を知らない人がいる場合は、ここに書いておくと助かります。
たとえば、
- 妹の〇〇には必ず連絡してほしい
- 会社への連絡は〇〇さんにお願いしたい
- 昔からの友人の〇〇さんにも知らせてほしい
- 親族への連絡は母に任せてほしい
このくらいのメモでも、残された家族には大きな手がかりになります。
医療・介護の希望
次に、病気や事故で自分の意思を伝えられなくなった時の希望を書きます。
難しく考えすぎる必要はありません。
たとえば、
- 延命治療について、今の気持ち
- 入院時に連絡してほしい人
- アレルギーや持病
- かかりつけの病院
- 介護が必要になった時に大切にしたいこと
このくらいで十分です。
医療や介護の希望は、家族にとって判断が重くなりやすい部分です。
正解を書くというより、「今の自分はこう考えている」と残すことが大切です。
気持ちが変わったら、あとで書き直せば大丈夫です。
葬儀・お別れの希望
最後に、葬儀やお別れについての希望を書きます。
ここも細かく決めすぎなくて大丈夫です。
まずは、
- 宗教やお寺との付き合いがあるか
- 家族葬がいいか、一般葬がいいか
- 誰に知らせてほしいか
- 喪主は誰にお願いしたいか
- お墓や納骨について考えていること
このあたりを書いておけば、家族はかなり動きやすくなります。
葬儀の希望を書くときに大切なのは、演出を細かく指定することではありません。
まずは、
大きく送ってほしいのか
身内中心で静かに送ってほしいのか
宗教儀礼を大切にしたいのか
形式よりもお別れの時間を大切にしたいのか
この方向性が分かるだけでも十分です。
本人らしさも、家族にとって大切な手がかりになる
エンディングノートというと、連絡先や医療、葬儀の希望など、実務的なことを書くイメージが強いかもしれません。
もちろん、それは大切です。
でも、もうひとつ大切なのが、本人らしさです。
たとえば、
- 好きだった花
- 好きな色
- 好きな食べ物
- 好きな味
- よく会っていた友人
- いま仲良くしている人
- 行ってみたかった場所
- 大切にしていた趣味
- よく聴いていた音楽
- 家族に伝えておきたい一言
こうしたことは、家族でも意外と知らないことがあります。
葬儀やお別れの場面では、家族が「何を選べば本人らしいのか」で迷うことがあります。
祭壇の花の色。
棺に入れてあげたいもの。
流してあげたい曲。
誰に知らせるか。
どんな雰囲気で送りたいか。
細かく指定する必要はありません。
むしろ、すべてを決めすぎると、残された家族が「その通りにしなければ」と苦しくなることもあります。
だから、エンディングノートには命令のように書くよりも、
「私はこういうものが好きだった」
「できれば、こんな雰囲気だとうれしい」
「無理のない範囲で考えてくれたら十分」
くらいの温度で残しておくのがおすすめです。
家族にとっては、それだけでも大きな手がかりになります。
葬儀社の現場で感じる「書いてあると助かること」
葬儀社でご家族とお話ししていると、エンディングノートに細かな希望がびっしり書かれていなくても、十分に助けになることがあります。
特に助かるのは、次のような情報です。
- 宗教やお寺との付き合い
- 連絡してほしい親族や友人
- 葬儀の規模感
- 喪主を誰にお願いしたいか
- お墓や納骨についての考え
- 本人が好きだったもの
- 家族に伝えておきたい一言
逆に、細かい演出や商品名まで決まっていても、家族がそのノートの存在を知らなければ役に立ちません。
大切なのは、完璧な内容よりも見つけてもらえることです。
まずは1ページだけでもいいので、書いた場所を家族に伝えておきましょう。
スマホで始めても大丈夫
エンディングノートは、紙のノートに書かなければいけないものではありません。
最初の一歩は、スマホのメモでも大丈夫です。
たとえば、通勤中や寝る前に、
- 連絡してほしい人
- 好きな花や色
- 家族に伝えておきたいこと
- 医療や介護についての今の気持ち
- 葬儀について、なんとなく思っていること
を少しずつ書いておくだけでも十分です。
最近は、スマホで使えるエンディングノートアプリもあります。
アプリを使えば、写真やメモを残しやすく、思いついた時に更新しやすいのがメリットです。
ただし、スマホだけに残す場合は注意も必要です。
家族がその存在を知らなければ、いざという時に見つけてもらえないからです。
スマホで書く場合も、
「もしもの時に見るメモがある」
「このアプリに大事なことをまとめている」
「紙のファイルに、スマホで見てほしい場所を書いてある」
というように、家族がたどり着ける工夫をしておきましょう。
スマホやアプリは便利です。
でも、大切なのは道具ではありません。
家族が必要な時に見つけられること。
ここを忘れなければ、紙でもスマホでも大丈夫です。
エンディングノートと遺言書は役割が違う
エンディングノートは、家族へのメモや希望を書き残すものです。
一方で、遺言書は財産の分け方など、法律上の効力を持たせるために作る文書です。
自筆証書遺言の場合、法務省は「全文・日付・氏名を自書し、押印する」といった方式を示しています。財産目録については自書でない作成も認められますが、その場合も署名・押印などのルールがあります。
つまり、エンディングノートに財産の分け方を書いても、それだけで遺言書と同じ効力があるわけではありません。
ざっくり分けるなら、こうです。
- エンディングノート:家族が迷わないための実務メモ
- 遺言書:財産や相続について法的に残す文書
どちらが上という話ではありません。
役割が違います。
家族への思いや生活上の希望はエンディングノートへ。
財産や相続について法的に残したいことは、遺言書や専門家への相談も検討する。
このように分けて考えると、整理しやすくなります。
書いたあとは、家族に「場所」だけでも伝える
エンディングノートは、書いて終わりではありません。
家族が見つけられて、初めて役に立ちます。
とはいえ、中身を全部見せるのに抵抗がある方もいると思います。
その場合は、まず場所だけ伝えておくだけでも大丈夫です。
たとえば、
「もしもの時のことを少し書いたノートを、書類棚の上段に入れてある」
「保険関係のファイルと一緒に、緊急連絡先だけまとめてある」
「スマホのメモに、家族に見てほしい内容を残している」
このくらいでも十分です。
家族にとって一番困るのは、ノートの中身が未完成なことではありません。
そもそも存在を知らないことです。
保管場所や共有の仕方を詳しく知りたい方は、関連記事の「エンディングノートの保管場所と家族共有」も参考にしてください。
紙とデジタルは、どちらか一方に決めなくていい
エンディングノートは、紙でもデジタルでも書けます。
紙のよさは、家族が見つけやすく、手書きの温度が残ることです。
一方で、デジタルのよさは、あとから直しやすく、スマホやパソコンで気軽に更新できることです。
おすすめは、最初からどちらか一方に決めすぎないことです。
たとえば、
- 紙には「見てほしい場所」と「大事な連絡先」
- デジタルには、更新しやすいリストや詳しいメモ
- 家族には、紙のノートやファイルの場所を伝える
このように分けると、続けやすくなります。
紙・Googleドキュメント・専用アプリの使い分けを知りたい方は、関連記事の「クラウド型エンディングノートは便利?」も参考にしてください。
よくあるつまずきと回避策
何から書けばいいか分からない
まずは、緊急連絡先だけで大丈夫です。
「誰に知らせるか」が分かるだけでも、家族はかなり助かります。
全部書こうとして止まってしまう
最初から全部書く必要はありません。
エンディングノートは、一度で完成させるものではなく、少しずつ更新していくものです。
空白があっても大丈夫です。
家族に見られるのが恥ずかしい
全部を見せる必要はありません。
まずは「もしもの時に見るノートがある」と場所だけ伝える方法でも十分です。
希望を書きすぎると家族の負担になりませんか?
なる場合もあります。
だからこそ、「絶対にこうしてほしい」と細かく指定しすぎるよりも、「こういうものが好きだった」「迷ったら参考にしてほしい」くらいの書き方がおすすめです。
家族が選ぶ余白を残しておくことも、思いやりのひとつです。
パスワードを書いていいか迷う
パスワードをそのまま書くのはおすすめしません。
サービス名や管理方法、どこを見れば分かるかを書いておく方が安全です。
デジタル遺品やサブスクの整理については、関連記事の「デジタル遺品整理とエンディングノート」も参考にしてください。
PR|紙で始めたい方へ
エンディングノートを始めるときは、最初から高価なものをそろえる必要はありません。
まずは、書き込みやすいノートと、保険証・契約書・メモをまとめるA4ファイルがあれば十分です。
紙で始めたい方は、記入式のエンディングノートを使うと、何を書けばいいか迷いにくくなります。
- 書きやすいエンディングノートを探す
- A4ファイルやクリアポケットを探す
- ふせん・インデックスで見直しやすくする
※大切なのは、道具をそろえることではなく、最初の1ページを書くことです。
FAQ
エンディングノートは何歳から書くものですか?
年齢に決まりはありません。
高齢になってから書くものと思われがちですが、急な入院や事故に備える意味では、20代・30代でも役に立ちます。
ただし、若い世代が最初から葬儀や相続まで細かく考える必要はありません。
まずは緊急連絡先や医療情報など、今の生活に関係することからで大丈夫です。
エンディングノートは全部埋めないと意味がありませんか?
全部埋めなくても意味があります。
むしろ、最初から完璧を目指すと止まりやすくなります。
最初は「連絡先」「医療・介護」「葬儀やお別れの希望」の3つだけでも十分です。
好きなものや行きたい場所も書いていいですか?
書いて大丈夫です。
好きな花、色、食べ物、音楽、行きたかった場所、会いたい人などは、家族が“その人らしいお別れ”を考えるときの手がかりになります。
ただし、細かく指定しすぎる必要はありません。
「迷ったら参考にしてね」くらいの温度で残すと、家族も受け止めやすくなります。
エンディングノートに葬儀の希望を書いてもいいですか?
書いて大丈夫です。
家族葬がいい、友人にも知らせてほしい、お寺との付き合いがある、納骨はこう考えているなど、分かる範囲で書いておくと家族が判断しやすくなります。
ただし、費用や式場、日程などは残された家族の状況によって変わるため、希望として残すくらいが現実的です。
エンディングノートは遺言書の代わりになりますか?
基本的には代わりになりません。
エンディングノートは、家族への希望や実務メモとして役立つものです。
財産の分け方などを法的に残したい場合は、遺言書として正式な形を整える必要があります。
スマホアプリでエンディングノートを作ってもいいですか?
スマホアプリで作っても大丈夫です。
思いついた時に書き足しやすく、写真やメモを残しやすいのがメリットです。
ただし、家族がアプリの存在を知らなければ見つけてもらえません。
スマホで管理する場合も、紙のメモや家族への一言で「どこを見ればいいか」を伝えておきましょう。
まとめ:最初の1ページが、家族の安心になる
エンディングノートは、人生の終わりだけを考えるものではありません。
今の自分が大切にしていることを整理し、もしもの時に家族が迷わないようにするためのものです。
最初から全部書かなくて大丈夫です。
まずは、今日15分だけ使って、
- 連絡してほしい人
- 医療や介護についての今の気持ち
- 葬儀やお別れについての大まかな希望
- 好きなものや大切にしていること
を書いてみてください。
好きな色。
好きな味。
仲良くしている人。
行ってみたい場所。
家族に伝えておきたい一言。
そうした小さな情報が、残された家族にとっては大きな手がかりになります。
完璧なノートより、見つかるメモ。
細かい指定より、本人らしさのヒント。
そこから始めれば大丈夫です。

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