「葬儀屋はきついから、やめとけと言われた」
「夜勤が多くて、給料も低いって本当?」
「人の死に関わる仕事を、自分に続けられるだろうか」
葬儀の仕事に興味を持って調べていると、このような不安を感じることがあります。
たしかに、葬儀屋の仕事は楽ではありません。
勤務時間が不規則になりやすく、一度きりの葬儀を預かる責任があります。ご遺体に関わり、ご家族の悲しみや怒りを受け止める場面もあります。
それでも結論からいうと、私は葬儀屋を「やめとけ」とは思いません。
むしろ、仕事の重さを理解したうえで興味があるなら、挑戦をおすすめしたい仕事です。
人は必ず死にます。
死について考えることは、暗くなるためではありません。限られた時間の中で、誰と、どのように生きたいのかを考えるきっかけになります。
生きることと死ぬことほど、誰にとっても避けられない大きなテーマはありません。
自分が価値を感じることに仕事として関われるのは、働く幸せのひとつだと思います。
ただし、仕事に意味があることと、どの葬儀社でも安心して働けることは別です。
私は一級葬祭ディレクターとして、葬儀の現場と、電話・相談・会館運営など葬儀を支える業務の両方を経験してきました。
この記事では、その経験をもとに、「葬儀屋はやめとけ」と言われる理由、給料や評価制度の実情、向いている人、会社選びで確認したいことを解説します。
仕事内容や一日の流れ、夜勤、休日について詳しく知りたい方は、葬儀屋の仕事内容と一日の流れも参考にしてください。
この記事でわかること
- 葬儀屋が「やめとけ」と言われる理由
- 現場で本当にきついと感じる場面
- 葬儀屋の給料と責任の関係
- 営業ノルマより確認したい評価制度
- 慎重に確認したい葬儀社の特徴
- 自分に合う役割の見つけ方
- 葬儀屋に向いている人・慎重に考えたい人
- 私が葬儀屋をおすすめしたい理由
- 就職・転職前に聞いておきたい質問
3行まとめ
葬儀屋が「やめとけ」と言われる背景には、不規則な勤務、責任の重さ、感情面の負担があります。
ただし、きつさは会社の体制や担当する仕事によって大きく変わるため、葬儀業界全体をひとまとめにはできません。
人の最後を支え、生きることを考えるきっかけにもなるため、私は仕事の重さを理解したうえで挑戦することをおすすめします。

葬儀屋はやめとけ?仕事・役割・会社を分けて考える
葬儀屋が自分に合うかを考えるときは、次の3つを分ける必要があります。
| 確認すること | 判断したい内容 |
|---|---|
| 仕事そのもの | 人の死や葬儀に関わることへ価値を感じるか |
| 担当する役割 | 現場、搬送、相談、電話、会館運営など、どの仕事が合うか |
| 会社の条件 | 給料、夜勤、休日、評価制度、引き継ぎ体制に納得できるか |
葬儀という仕事に価値を感じても、一件の葬儀を最初から最後まで担当する働き方が合わない人はいます。
反対に、現場担当は合わなくても、電話受付、事前相談、搬送、会館運営、葬儀後の対応などで力を発揮できる人もいます。
また、仕事自体は好きでも、夜勤や長時間勤務が多く、休みの日にも担当案件から連絡が来る会社では、生活を続けられないことがあります。
やめた方がいいのは、葬儀屋という仕事ではありません。
自分や家族の生活を壊さなければ続けられない働き方です。
現場で本当にきついと感じる7つの理由
葬儀屋をおすすめしたいからこそ、きつい面も隠さずにお伝えします。
勤務時間と予定が読みにくい
人が亡くなる日時は選べません。
夜間や早朝にご依頼が入ることもあれば、土日祝日に通夜や葬儀を行うこともあります。
会社によっては、夜勤、宿直、当直、オンコールがあります。通夜がある日は退勤が遅くなり、急な搬送や日程変更が重なることもあります。
一方で、夜間専門のスタッフや搬送部門を設け、日中の担当者と分業している会社もあります。
そのため、「葬儀屋は全員が24時間働く」というわけではありません。
それでも、家族や友人が土日休みの場合は予定を合わせにくくなります。
仕事そのもののきつさより、家族との時間が合わないことの方が、長く働くうえで負担になる場合もあります。
一度きりでやり直しがきかない
葬儀は、来週もう一度同じ人を集めてやり直すことができません。
- 故人様やご親族の名前
- 火葬時間と出棺時間
- 宗教者との進行確認
- 供花や弔電
- 料理や返礼品
- 見積もりと追加費用
ひとつの確認漏れが、ご家族の後悔につながることがあります。
もちろん、人が行う仕事である以上、「絶対にミスをしない」とは言い切れません。
だからこそ、個人の注意力だけに頼らず、チェックリスト、記録、復唱、ダブルチェック、引き継ぎによってミスを減らす必要があります。
葬儀屋に求められるのは、失敗しない超人になることではありません。
小さな違和感を放置せず、何度でも確認できる人になることです。
悲しみを受け止めながら手配を止められない
葬儀屋の精神的な負担は、悲しい場面を見ることだけではありません。
ご家族が泣いている。
突然のことで混乱している。
費用に不安を感じている。
親族同士で意見が分かれている。
葬儀社の説明に怒りを感じている。
そのような状況でも、ご家族の気持ちを置き去りにせず、火葬場、式場、宗教者、料理、返礼品などの手配を進めなければなりません。
悲しみに寄り添うことと、現実の時間を動かすこと。
この両方を同時に行う難しさがあります。
冷たくなる必要はありません。
一方で、一緒に感情へ飲み込まれてしまうと、必要な確認が止まります。
気持ちを受け止めながら、次に必要なことを整理できる力が求められます。
ご遺体に関わる
葬儀社の現場では、亡くなった方の搬送、安置、納棺、出棺などに関わることがあります。
最初は不安や怖さを感じても不思議ではありません。
ただし、ここでいう「慣れる」とは、何も感じなくなることではありません。
故人様への敬意を失わず、必要なことを落ち着いて行えるようになることです。
どこまでご遺体に関わるかは、担当業務や会社の分業体制によって異なります。
不安がある場合は、面接で実際の担当範囲と研修方法を確認しましょう。
接客だけでなく体力も使う
葬儀屋は、人と話すだけの仕事ではありません。
搬送、安置、式場設営、備品の準備、供花の確認、長時間の立ち仕事、出棺準備、葬儀後の片付けなど、体を使う場面があります。
夏場や冬場の移動、通夜後の片付け、葬儀が重なった日の会館移動は、想像以上に疲れます。
黒いスーツで静かに立っている時間より、電話、確認、移動、手配に追われている時間の方が長い日もあります。
ただし、相談、電話、事務、葬儀後の対応など、体力仕事が比較的少ない職種もあります。
「葬儀屋は体力仕事だから無理」と決める前に、応募する職種で何を担当するのか確認することが大切です。
覚えることが多く正解が一つではない
葬儀の流れだけでなく、宗教、地域の慣習、火葬場の運用、見積もり、返礼品、料理、供花、弔電、法要など、覚えることは多くあります。
同じ仏式でも、宗派や寺院によって進め方が違うことがあります。
同じ家族葬でも、ご家族が大切にしたいことは違います。
マニュアルは必要ですが、マニュアルだけですべて解決できる仕事ではありません。
わからないことを曖昧なまま進めず、先輩、宗教者、火葬場、関係部署へ確認できることも大切な力です。
知識量だけでなく、誰に確認すれば正しい答えへたどり着けるかを知ることも、葬儀屋の専門性だと思います。
売上とご家族本位の間で迷うことがある
葬儀社も会社である以上、利益を出さなければ続きません。
祭壇、棺、料理、返礼品などを提案すること自体が悪いわけではありません。必要なものをわかりやすく案内することは、葬儀屋の大切な仕事です。
ただし、会社によっては、葬儀単価、会員獲得、事前相談件数、追加提案などが強く求められることがあります。
ご家族に必要な提案と、会社の数字を上げるためだけの提案が混ざると、働く人も苦しくなります。
「営業ノルマがありますか」と聞くだけでは、実態はわかりません。
何を提案することが求められ、どの数字が評価へ反映されるのかまで確認する必要があります。
葬儀屋の給料は責任に見合うのか
2026年7月に確認した厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、葬祭ディレクターが属する主な職業分類の全国平均は、年収402.7万円、労働時間は月163時間、平均年齢は43.4歳です。
ただし、この統計は「葬儀師、火葬係」などを含む職業分類に対応したもので、葬祭ディレクターだけの給料を示した数字ではありません。
実際の給料は、次の条件によって大きく変わります。
- 地域と会社の規模
- 担当する仕事
- 夜勤・宿直・オンコールの有無
- 残業時間
- 役職
- 資格手当
- 売上や評価による手当
- 賞与
葬儀屋は、人の最後を預かり、大きな金額について説明する仕事です。
その責任に比べて、必ずしも高給とは限りません。
「ここまで責任が重いなら、もう少し評価されてもよいのでは」と感じる人がいるのも理解できます。
求人を見るときは、月給の総額だけでなく、次の内訳まで確認してください。
- 固定残業代を除いた基本給
- 固定残業代に含まれる時間と金額
- 超過した残業代の支給方法
- 深夜・休日手当
- 宿直・オンコール手当
- 賞与の算定方法
- 資格手当や役職手当
厚生労働省も、固定残業代を含む求人では、基本給、対象時間と金額、超過分を追加支給することの明示を求めています。固定残業代に関する厚生労働省の案内
また、葬儀社の中では、現場担当から電話受付、相談、会館運営などへ役割を変える働き方もあります。
役割が変わることで予定を立てやすくなる一方、手当や評価基準が変わることもあります。
働きやすさ、やりがい、収入は、必ずしも同じ方向へ動きません。
自分が守りたい生活を整理したうえで、仕事内容と条件の両方に納得できる職場を選ぶことが大切です。
営業ノルマより確認したい評価制度
面接で「営業ノルマはありますか」と聞いて、「ありません」と言われても、それだけでは安心できません。
ノルマという名前を使わず、次の数字が評価へ強く反映される会社もあります。
- 葬儀単価
- 会員獲得件数
- 事前相談件数
- 追加商品の販売
- 紹介件数
- アンケート評価
- 担当件数
- ミスや苦情の件数
売上や件数を見ること自体は、会社として不自然ではありません。
大切なのは、数字だけで評価されるのか、接遇、説明のわかりやすさ、ミス防止、引き継ぎ、周囲への支援なども評価されるのかです。
葬儀は、一人の担当者だけでは成り立ちません。
電話を受けた人、搬送した人、相談を受けた人、式場を整えた人、当日を担当した人が情報をつないでいます。
売上だけでなく、見えにくい支援も評価する会社の方が、組織として葬儀を支えやすくなります。
「ノルマがあるか」ではなく、「何をすれば評価されるのか」と聞く方が、会社の考え方は見えやすくなります。
慎重に確認したい葬儀社の特徴
次の特徴があるからといって、すぐに悪い会社とは断定できません。
ただし、就職や転職を決める前に、詳しく確認した方がよい兆候です。
- 夜勤、残業、休日について具体的な説明がない
- 夜勤や宿直の翌日に通常勤務があるか答えられない
- 担当範囲を聞いても「何でもやってもらう」としか答えない
- 休みの日の引き継ぎ方法が決まっていない
- 「やりがい」や「感謝される仕事」ばかりを強調する
- 固定残業代の時間と金額がわからない
- 繁忙期の残業時間や担当件数を説明できない
- 未経験者の研修や同行期間が短すぎる
- 独り立ちの基準が決まっていない
- ミスを防ぐ仕組みより、個人の注意力だけを求める
- 困ったときの相談先や責任者が曖昧
- 売上以外の評価項目を説明できない
- 仕事内容や勤務条件について質問すると嫌な顔をされる
葬儀の仕事は、使命感だけで続けられるほど軽くありません。
制度があるかどうかだけでなく、「直近では実際にどう運用されているか」を聞きましょう。
具体的な事例で答えてくれるかどうかも、会社を判断する材料になります。
向いているかより、どの役割なら続けやすいか
「葬儀屋に向いているか、向いていないか」だけで判断すると、少し乱暴です。
同じ人でも、担当する仕事によって続けやすさは変わります。
| 得意なこと・重視したいこと | 合う可能性がある仕事 |
|---|---|
| 一組のご家族と深く関わりたい | 葬祭ディレクター・一貫担当 |
| 情報整理や電話対応が得意 | 電話受付・事前相談・会館運営 |
| 夜間対応や運転に抵抗が少ない | 搬送・夜間専門業務 |
| 葬儀後も長く支援したい | 法要・返礼品・仏壇・相続などのアフター対応 |
| 式場を整え、当日を支えたい | 会館スタッフ・式典スタッフ |
私自身、葬儀の現場と、それを支える相談・運営業務の両方を経験してきました。
一組のご家族と深く関わる仕事と、複数の葬儀や会館全体を支える仕事では、求められる力がかなり違います。
現場担当が合わないからといって、葬儀業界そのものに向いていないとは限りません。
反対に、葬儀への強い思いがあっても、希望する生活と担当業務が合わなければ続けにくくなります。
職種名だけで判断せず、実際に何を担当するのかを確認しましょう。
葬儀屋に向いている人
葬儀屋に向いているのは、悲しい場面に動じない特別に強い人だけではありません。
次のような人は、力を発揮しやすいと思います。
- 人の話を最後まで聞ける
- 気持ちに寄り添いながら、必要な確認もできる
- 細かな確認を面倒がらない
- 急な変更があっても、優先順位を組み直せる
- わからないことを知ったふりせず聞ける
- 自分が目立つより、裏方として支えることに価値を感じる
- 一人で抱え込まず、周囲へ助けを求められる
- 人の死を興味本位ではなく、敬意をもって扱える
- 生きることや死ぬことに関わる仕事へ意味を感じる
葬儀屋は、話が上手な人だけが向いている仕事ではありません。
流ちょうな説明より、名前、時間、金額、ご家族の希望を正確に確認できることの方が、ご家族を守る場面もあります。
葬儀屋を慎重に考えた方がいい人
次の条件に当てはまる場合は、会社や担当業務を慎重に選んだ方がよいでしょう。
- 土日休みと定時退社を絶対条件にしたい
- 急な予定変更へ強いストレスを感じる
- 細かな確認や記録を繰り返すことが苦手
- 電話や人との調整をできるだけ避けたい
- 人の死に関わることへの負担が非常に大きい
- 「感謝される仕事」というイメージだけで考えている
- 困っても周囲へ相談せず、一人で抱え込んでしまう
- 給料や休日より、使命感を優先しすぎてしまう
これは、能力が低いという意味ではありません。
自分が守りたい生活と、仕事の条件が合っているかという問題です。
また、葬儀社にはさまざまな仕事があります。
現場担当が難しくても、事務、相談、会館運営、葬儀後の対応などが合う可能性はあります。
葬儀屋を続けるには個人の気合いより仕組みが必要
確認を仕組みにする
名前、火葬時間、供花、弔電、宗教者、金額などを、記憶だけで管理するのは危険です。
チェックリスト、記録、復唱、ダブルチェックを使い、疲れているときでも一定の確認ができる状態を作ります。
忙しい日ほど確認を省きたくなりますが、忙しい日ほど仕組みが必要です。
一人で完結させない
葬儀は、担当者一人の作品ではありません。
電話、搬送、相談、式場、火葬場、葬儀後の対応を、複数の人がつないでいます。
次の人が読んでも状況がわかるように記録を残し、休みの日は任せられる状態を作ることが大切です。
引き継ぎは、単なる社内事務ではありません。
悲しみの中にいるご家族へ、同じ説明を何度もさせないためのサービスでもあります。
心の負担を一人で抱えない
若い方の葬儀、自分の家族と重なる葬儀、事故や突然死など、長く心に残る葬儀もあります。
何も感じなくなる必要はありません。
つらいと感じたときに、同僚や上司へ話せること、必要であれば産業医や相談窓口を利用できることも大切です。
「葬儀屋なのだから慣れなければ」と、自分の感情まで否定する必要はありません。
休むことと役割を変えることを失敗にしない
睡眠不足や疲労が続けば、確認力と判断力は落ちます。
休むことは甘えではなく、ご家族へ安全なサービスを提供するために必要です。
また、今の役割が生活に合わなくなった場合は、部署異動や転職も選択肢になります。
現場を離れることは、人の死に関わる仕事を諦めることではありません。
役割を変えて、長く関わり続ける道もあります。
それでも私が葬儀屋をおすすめする理由
私は、葬儀屋を「やめとけ」とは思いません。
むしろ、人の生死に関わることへ価値を感じるなら、おすすめしたい仕事です。
人は必ず死にます。
これは誰にも変えられません。
しかし、亡くなったあとにどのように送り、残された人がどのようにその時間を受け止めるかは、少し整えることができます。
ご家族が混乱しているときに、次にすることを示す。
費用と選択肢を整理する。
故人様らしいお別れに近づける。
親族や宗教者の動きを整える。
最後のお別れに集中できる時間を作る。
葬儀屋は、悲しみをなくす仕事ではありません。
ご家族が手配や混乱に追われきらず、悲しみとお別れに向き合える時間を守る仕事だと思います。
さらに、死に向き合う仕事をしていると、生きている時間の見え方も変わります。
家族と過ごすこと。
元気なうちに話すこと。
会いたい人に会うこと。
伝えたいことを伝えること。
いつもの日常が、永遠に続くわけではないと知ります。
死について考えることは、今日を粗末にしないためでもあります。
生きることと死ぬことほど、大きな価値を持つテーマはありません。
自分が価値を感じることに関われる仕事は、幸せな仕事になり得ます。
ただし、意味のある仕事だからといって、健康、家族、時間、収入を犠牲にし続ける必要はありません。
使命感は、低い待遇や無理な働き方を正当化するためのものではありません。
価値のある仕事を、生活を守りながら長く続けられる形にする。
そこまで含めて、よい葬儀屋の働き方だと思います。
就職・転職前に聞いておきたい4つの質問
制度があるかどうかだけでなく、実際の運用を聞くことが大切です。
一日の流れと担当範囲を聞く
独り立ちしたあとの、通夜がある日と葬儀・告別式がある日について、出勤から退勤までの流れを教えてください。夜間にご依頼が入った場合は、電話、搬送、安置、打ち合わせをそれぞれ誰が担当しますか。
この質問で、勤務時間、分業体制、夜間対応、担当範囲が見えやすくなります。
休みの日の引き継ぎを聞く
休みの日に自分の担当案件が動いた場合、誰がどのように引き継ぎますか。本人へ連絡が入ることは、直近ではどのくらいありますか。
「有給休暇があります」という説明だけでは、実際に休めるかはわかりません。
担当案件を誰へ渡せるのかまで確認しましょう。
研修と独り立ちの基準を聞く
未経験で入社した場合、どのくらいの期間、先輩へ同行しますか。独り立ちは何を基準に判断し、独り立ち後に困った場合は誰へ相談できますか。
研修期間の長さだけでなく、独り立ちの基準と、その後の支援体制を確認することが大切です。
給料と評価の内訳を聞く
基本給、固定残業代、超過分、深夜・休日・オンコール手当はどのように計算されますか。また、売上、会員獲得、葬儀単価、アンケート、ミス防止など、何が評価に反映されますか。
「頑張れば稼げます」ではなく、何をすると、どのように評価されるのかを具体的に聞きましょう。
よくある質問
葬儀屋は本当にやめとけと言われる仕事ですか?
私はそうは思いません。
不規則な勤務、責任の重さ、感情面の負担はありますが、人の最後を支え、生きることにも向き合える価値のある仕事です。
ただし、仕事内容、給料、夜間体制、休日、評価制度は会社ごとに確認してください。
葬儀屋はメンタル的にきついですか?
きつい場面はあります。
若い方や突然亡くなった方の葬儀、自分の家族と重なる場面、親族間の意見が割れている場面などは、精神的に重く感じることがあります。
大切なのは、何も感じなくなることではありません。
気持ちを受け止めながら必要な確認を進め、困ったときに周囲へ相談できることです。
葬儀屋の給料は低いですか?
一律にはいえません。
全国平均のデータはありますが、地域、会社、役割、夜勤、残業、役職、資格手当、賞与によって大きく変わります。
責任に比べて必ずしも高給とは限らないため、月給総額だけでなく、基本給と各種手当の内訳を確認しましょう。
未経験・資格なしでも葬儀屋になれますか?
未経験から採用する会社はあります。
一般的な葬儀社スタッフとして入社する段階で、葬祭ディレクター資格が必須とは限りません。
2026年度の葬祭ディレクター技能審査では、2026年12月31日時点で、原則として2級は葬祭実務経験2年以上、1級は5年以上、または2級合格後2年以上の葬祭実務経験が受験条件です。
入社後に経験を積んでから目指す資格なので、未経験の場合は、研修期間、先輩への同行、質問できる環境、資格取得支援を確認してください。
葬儀屋は必ずご遺体に触れますか?
担当業務と会社によります。
搬送、安置、納棺、出棺を担当する場合は、ご遺体に関わる機会があります。
一方、電話、相談、事務、葬儀後の対応など、直接触れる機会が少ない仕事もあります。
不安がある場合は、応募する職種の担当範囲を確認しましょう。
葬儀屋には営業ノルマがありますか?
会社によります。
明確なノルマがなくても、葬儀単価、会員獲得、事前相談件数、追加提案などが評価項目になることがあります。
ノルマの有無だけでなく、何をどの程度求められ、売上以外に何が評価されるのかを確認してください。
葬儀屋の経験は他業界でも役立ちますか?
葬儀特有の宗教知識や進行方法は、使う業界が限られます。
一方で、悲しみや不安を抱える人への説明、限られた時間での手配、複数の関係者との調整、金額説明、苦情対応、ミス防止などは、ほかの仕事でも役立つ力です。
接客、医療・介護、保険、ホテル、コールセンター、施設運営などと共通する部分もあります。
葬儀の知識だけでなく、自分がどのような判断や調整をしてきたかを言葉にできることが大切です。
まとめ
葬儀屋が「やめとけ」と言われる背景には、現実的な理由があります。
勤務時間が不規則になりやすい。
一度きりの葬儀を預かる責任がある。
ご家族の悲しみや怒りを受け止めながら、手配を進めなければならない。
体力を使い、覚えることも多い。
責任に対して、必ずしも高給とは限らない。
このような面は、就職する前に知っておく必要があります。
それでも私は、葬儀屋を「やめとけ」とは思いません。
人は必ず死にます。
その最後に向き合い、ご家族が大切な人を送る時間を支える仕事には、大きな価値があります。
死について考えることは、生き方について考えることでもあります。
自分が価値を感じることに関わり、健康、家族、時間、収入を守りながら続けられるなら、葬儀屋は幸せを感じられる仕事になり得ます。
「やめとけ」という言葉だけで、諦める必要はありません。
まずは気になる求人を3社ほど並べ、基本給、固定残業代、夜勤、休日の連絡、研修、評価制度を同じ条件で比べてみてください。
仕事の重さを知り、自分に合う役割と会社を選んだうえで、挑戦してほしいと思います。


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