はじめに
弔電やお悔やみのメールを書こうとしたとき、
「この言葉は使っても大丈夫かな」
「忌み言葉って、どこまで気にすればいいの?」
「失礼にならない言い換えが知りたい」
と迷う方は多いと思います。
忌み言葉とは、弔事の場で避けた方がよいとされる言葉です。
代表的なものには、「重ね重ね」「たびたび」「ますます」などの重ね言葉や、「死ぬ」「死亡」などの直接的な表現があります。
ただし、忌み言葉をすべて暗記する必要はありません。
大切なのは、遺族に余計な引っかかりを残さないよう、言葉を少し整えることです。
弔電そのものの宛名・台紙・到着日時まで確認したい方は、先に弔電の文例テンプレと台紙の選び方を見ておくと、全体像がつかみやすくなります。
この記事では、忌み言葉の考え方、言い換え一覧、弔電・メール・LINE・口頭で使える文例を、葬儀社スタッフの実務目線で整理します。

この記事でわかること
- 弔電やお悔やみで避けたい忌み言葉の種類
- 重ね言葉・直接的な表現・宗教に合わない言葉の言い換え
- 弔電・メール・LINE・口頭で使える短文文例
- 「大往生」「頑張ってください」など迷いやすい言葉の考え方
- 忌み言葉を気にしすぎず、相手に負担をかけない伝え方
3行まとめ
忌み言葉は、遺族に余計な違和感を残さないために避ける言葉です。
迷ったときは、「心より」「深く」「謹んで」「どうかご無理なさらず」など、静かで中立的な表現に置き換えると安心です。
完璧な文章を目指すより、短く、丁寧に、相手の負担を増やさない言葉を選びましょう。
60秒チェック|まず避けたい忌み言葉
急いで弔電やお悔やみ文を整えたい方は、まず次の3つを確認してください。
| 種類 | 避けたい言葉 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 重ね言葉 | 重ね重ね、たびたび、ますます | 心より、謹んで、深く |
| 繰り返しを連想する言葉 | 再び、また、続いて | 使わない、別表現にする |
| 直接的な表現 | 死ぬ、死亡、急死 | 亡くなる、ご逝去、突然のことで |
弔事では、悲しみや不幸が重なることを連想させる言葉は避けるのが基本です。
また、「死ぬ」「死亡」などの直接的な表現は、受け取る側に強く響きすぎることがあります。
迷ったときは、やわらかい表現に置き換えましょう。
弔電全体の基本をまとめて確認したい方は、香典・弔電の基本まとめも参考になります。
忌み言葉を避ける本当の目的
忌み言葉を避ける目的は、言葉狩りをすることではありません。
大切なのは、遺族が疲れているときに、余計な引っかかりや違和感を残さないことです。
葬儀の場では、言葉が完璧かどうかよりも、短く、静かに、相手の負担を増やさないことの方が大切です。
たとえば、少し言い回しに迷ったとしても、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察しいたします」
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
このような表現であれば、強い宗教色も出にくく、落ち着いた印象になります。
忌み言葉は、完璧に暗記するものではありません。
相手に余計な負担をかけないために、言葉を少し整えるものだと考えるとわかりやすいです。
忌み言葉とは?まず避けるのはこの3種類
忌み言葉には、細かく見れば多くの種類があります。
ただし、一般の方が弔電やお悔やみ文を書くときは、まず次の3種類を意識すれば十分です。
重ね言葉
重ね言葉とは、同じ意味や音を繰り返す言葉です。
弔事では、不幸が重なることを連想させるため、避けた方がよいとされています。
代表例は次の通りです。
| 避けたい言葉 | 言い換え例 |
|---|---|
| 重ね重ね | 心より、謹んで |
| たびたび | このたび |
| ますます | 心より、深く、謹んで |
| くれぐれも | どうか、ご無理なさらず |
| 次々 | 多くの、さまざまな |
「くれぐれもご自愛ください」は日常ではよく使う表現ですが、弔事では「くれぐれも」が重ね言葉として気になる場合があります。
そのため、
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
「お身体を大切になさってください」
のように整えると安心です。
繰り返しを連想させる言葉
「再び」「また」「続いて」などは、同じことが繰り返される印象につながるため、弔事では避けた方が無難です。
| 避けたい言葉 | 言い換え例 |
|---|---|
| 再び | 使わない、別表現にする |
| また | 使わない、別表現にする |
| 続いて | その後、別の形で |
| 追って | 後日、あらためて |
たとえば、
「またご連絡します」
と書くよりも、
「落ち着かれた頃に、あらためてご連絡いたします」
の方が、弔事では落ち着いた印象になります。
直接的な表現
「死ぬ」「死亡」「急死」などは、意味が直接的で、遺族に強く響きすぎることがあります。
弔電やお悔やみ文では、少しやわらかい表現に置き換えると安心です。
| 避けたい言葉 | 言い換え例 |
|---|---|
| 死ぬ | 亡くなる、ご逝去 |
| 死亡 | ご逝去、逝去 |
| 急死 | 突然のことで、急なことで |
| 生きていた頃 | ご生前、生前 |
| 最後 | ご生前、在りし日 |
たとえば、
「突然死亡されたと聞きました」
ではなく、
「突然のことで、言葉もございません」
「ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます」
のようにすると、落ち着いたお悔やみ文になります。
宗教によって注意したい言葉
弔事の言葉では、宗教によって合う表現・合わない表現があります。
特に「ご冥福」「成仏」「供養」などは、仏教的な意味合いがあるため、宗教がわからない場合は避けた方が無難です。
| 避ける場合がある言葉 | 言い換え例 |
|---|---|
| ご冥福をお祈りします | 安らかな眠りをお祈りします |
| 成仏されますように | 静かな旅立ちとなりますように |
| 供養 | 偲び、祈り |
| 天国で | 安らかに、穏やかに |
仏式の葬儀であれば「ご冥福をお祈りします」はよく使われます。
ただし、神道・キリスト教・無宗教などの場合は、必ずしも合うとは限りません。
宗教がわからないときは、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「安らかな眠りをお祈りいたします」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察しいたします」
のような中立的な表現にすると安心です。
無宗教のお別れでは、読経や戒名ではなく、黙祷・献花・お別れの言葉で送ることもあります。無宗教葬の考え方を知りたい方は、無宗教葬の流れと注意点も参考にしてください。
言い換え早見表(NG→OK)
忌み言葉は、すべてを覚える必要はありません。
まずは、よく使いがちな言葉だけ避けて、落ち着いた表現に置き換えれば十分です。
| 種類 | 避けたい言葉(NG) | 言い換え(OK) |
|---|---|---|
| 重ね言葉 | 重ね重ね | 心より、謹んで |
| 重ね言葉 | たびたび | このたび |
| 重ね言葉 | ますます | 心より、深く、謹んで |
| 重ね言葉 | 再び/また | 使わない、別の表現にする |
| 重ね言葉 | くれぐれも | どうか、ご無理なさらず |
| 直接語 | 死亡 | ご逝去、逝去 |
| 直接語 | 死ぬ | 亡くなる、ご他界 |
| 直接語 | 急死 | 突然のことで、急なことで |
| 直接語 | 生きていた頃 | ご生前、生前 |
| 宗教語 | ご冥福をお祈りします | 安らかな眠りをお祈りします |
| 宗教語 | 成仏されますように | 静かな旅立ちとなりますように |
| 宗教語 | 供養 | 偲び、祈り |
宗教がわからないときは、「お悔やみ」「安らかな眠り」「ご心痛をお察しします」のような中立表現に整えると安心です。
「いっそう」や「今後とも」は、日常文では便利な言葉です。
ただし、弔事では無理に使う必要はありません。
「いっそう」は、悲しみがより深まるように読めることがあります。
「今後とも」は、ビジネスの継続挨拶に近く、弔電やお悔やみ文では場に合わない印象になることがあります。
迷ったときは、「心より」「深く」「謹んで」「どうかご無理なさらず」など、静かで中立的な表現に置き換えると安心です。
場面別|弔電・メール・口頭で気をつけたい忌み言葉
お悔やみの言葉は、伝える場面によって少し整え方が変わります。
同じ気持ちでも、弔電、メール・LINE、口頭では、読み手に残る印象が違うためです。
弔電の場合
弔電は文章として残るため、少し固めで安全な表現に寄せるのが無難です。
「心よりお悔やみ申し上げます」
「安らかな眠りをお祈りいたします」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察し申し上げます」
このような表現を中心にすると、宗教色も強くなりすぎず、落ち着いた文面になります。
弔電の文面を整えたい方は、弔電の文例テンプレと台紙の選び方もあわせて確認しておくと安心です。宛名、差出人、いつまでに送るかまでまとめて確認できます。
宛名・連名・気付の書き方で迷う場合は、弔電の宛名・連名・気付の書き方で具体例を確認できます。
差出人に旧姓を添えるか、夫婦連名にするかで迷う場合は、弔電に旧姓を書くべきか迷ったときの考え方も参考になります。
メール・LINEの場合
メールやLINEでは、長く書きすぎないことが大切です。
相手は葬儀の準備や家族対応で忙しいことが多いため、返信を求める文章は避けた方が安心です。
「返信は不要です」
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
「落ち着かれた頃に、あらためてご連絡させてください」
このように、相手の負担を減らす一文を添えると、気持ちが伝わりやすくなります。
口頭の場合
葬儀の場で直接伝える場合は、完璧な言葉を探しすぎなくて大丈夫です。
長く話すよりも、短く静かに伝える方が、遺族の負担になりにくいです。
「このたびはご愁傷さまでございます」
「心よりお悔やみ申し上げます」
このくらいで十分です。
無理に気の利いたことを言おうとせず、短く、丁寧に、静かに伝えることを意識しましょう。
文例を選ぶときの考え方
お悔やみの文例は、立派な文章を選ぶよりも、相手との関係性に合うものを選ぶことが大切です。
会社関係や目上の方には、少し丁寧で落ち着いた表現。
親しい友人には、短くても気持ちが伝わる表現。
宗教がわからない場合は、特定の宗教色が強すぎない表現。
このように選ぶと、失礼になりにくくなります。
迷ったときは、長く書かずに、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察しいたします」
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
この3つを軸にすると安心です。
お悔やみの言葉は、上手に書くことよりも、相手を疲れさせないことが大切です。
そのまま使える短文テンプレ
ここからは、弔電・メール・LINEで使いやすい短文テンプレを紹介します。
必要に応じて、故人との関係性や自分の立場に合わせて調整してください。
弔電で使いやすい文例
ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様のご心痛をお察し申し上げますとともに、安らかな眠りをお祈りいたします。
このたびのご訃報に接し、心より哀悼の意を表します。
ご遺族の皆様に、謹んでお悔やみ申し上げます。
突然のことで、言葉もございません。
ご生前のお姿を偲び、心よりお悔やみ申し上げます。
参列できないときの文例
本来であれば直接お伺いすべきところ、参列がかなわず申し訳ございません。
心よりお悔やみ申し上げます。
遠方のため参列がかなわず、失礼いたします。
ご遺族の皆様のご心痛をお察しし、心よりお悔やみ申し上げます。
家族葬で参列を控える場合は、弔電や後日の弔問で気持ちを伝える方法もあります。判断に迷う方は、家族葬に参列すると迷惑?呼ばれてない時の判断基準と連絡文例も確認してみてください。
メール・LINEで使いやすい文例
このたびは心よりお悔やみ申し上げます。
返信は不要ですので、どうかご無理なさらずお過ごしください。
突然のことで、言葉が見つかりません。
心よりお悔やみ申し上げます。どうかお身体を大切になさってください。
このたびはご愁傷さまでございます。
落ち着かれた頃に、あらためてご連絡させてください。返信は不要です。
口頭で伝えるときの文例
このたびはご愁傷さまでございます。
心よりお悔やみ申し上げます。
突然のことで、言葉もございません。
葬儀の場では、長く話す必要はありません。
遺族は多くの対応に追われていることが多いため、短く、静かに伝える方が負担になりにくいです。
「ご冥福をお祈りします」は使っていい?
「ご冥福をお祈りします」は、仏式の弔電やお悔やみでよく使われる表現です。
ただし、宗教がわからない場合や、無宗教葬・キリスト教式・神道式などの場合は、避けた方が無難なこともあります。
迷ったときは、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「安らかな眠りをお祈りいたします」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察しいたします」
のように、宗教色の強すぎない表現にすると安心です。
宗教にこだわらないお別れについては、無宗教葬の流れと注意点でも詳しく整理しています。
葬儀の場では、完璧な言葉よりも短く静かな言葉が伝わります
葬儀の現場では、遺族の方が多くの対応に追われていることがあります。
受付、親族対応、焼香、会食、火葬場への移動、寺院対応など、気持ちが追いつかないまま時間が進んでいくことも少なくありません。
そのような場面では、長く整った言葉よりも、短く静かな言葉の方が受け取りやすいことがあります。
「このたびはご愁傷さまでございます」
「心よりお悔やみ申し上げます」
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
このくらいで十分です。
忌み言葉を避けることは大切ですが、言葉選びにこだわりすぎて、相手への思いやりが見えなくなっては本末転倒です。
大切なのは、遺族の悲しみや忙しさを邪魔しないこと。
そのために、言葉を少し整える。
それくらいの感覚で考えると、お悔やみの言葉は選びやすくなります。
よくある質問
忌み言葉は必ず避けないといけませんか?
できる範囲で避ければ大丈夫です。
大切なのは、言葉を完璧に整えることではなく、遺族に余計な負担をかけないことです。
迷ったときは、短く、静かで、中立的な表現に置き換えましょう。
「ご愁傷さまです」はメールで使ってもいいですか?
使っても問題ありません。
ただし、文章で書く場合は少し硬く見えることもあります。
メールやLINEでは、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「このたびはご愁傷さまでございます」
のように、丁寧な形にすると安心です。
「ご冥福をお祈りします」は失礼ですか?
仏式ではよく使われる表現ですが、宗教によっては合わない場合があります。
宗教がわからない場合は、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「安らかな眠りをお祈りいたします」
のような表現にすると無難です。
「大往生」は使ってもいいですか?
「大往生」は、遺族側が故人を偲んで使う場合は自然なこともあります。
ただし、弔問する側や弔電を送る側から使うのは避けた方が無難です。
たとえ長寿で亡くなった方であっても、遺族にとっては大切な家族を亡くした直後です。
「長生きしたからよかったですね」
「大往生でしたね」
という言葉は、受け取る人によっては、悲しみを軽く扱われたように感じることがあります。
外部の立場から伝える場合は、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「ご生前のお姿を偲び、安らかな眠りをお祈りいたします」
のように、静かな表現にしておくと安心です。
「頑張ってください」はお悔やみで使ってもいいですか?
お悔やみの場では、「頑張ってください」は避けた方が無難です。
励ましたい気持ちから出る言葉ですが、遺族はすでに葬儀の準備や家族対応で精一杯になっていることがあります。
そこに「頑張ってください」と言われると、さらに頑張らないといけないように感じる人もいます。
言い換えるなら、
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
「お身体を大切になさってください」
「返信は不要ですので、どうかご自愛ください」
のように、相手の負担を減らす表現が安心です。
LINEでお悔やみを送ってもいいですか?
関係性によっては、LINEでお悔やみを伝えても問題ありません。
特に、普段からLINEでやり取りしている親しい相手であれば、早く気持ちを伝えられる手段になります。
ただし、長文にしすぎたり、返信を求めたり、亡くなった経緯を聞いたりするのは避けましょう。
短く伝えるなら、
「このたびは心よりお悔やみ申し上げます。返信は不要ですので、どうかご無理なさらずお過ごしください。」
くらいで十分です。
大切なのは、正しい文章を作ることよりも、相手の負担を増やさないことです。
まとめ
忌み言葉は、弔事の場で遺族に余計な違和感を残さないために避ける言葉です。
ただし、すべてを暗記する必要はありません。
まずは、
「重ね言葉」
「繰り返しを連想させる言葉」
「直接的な表現」
「宗教に合わない可能性がある言葉」
このあたりを意識すれば十分です。
弔電の文面・宛名・到着日時までまとめて整えたい方は、弔電の文例テンプレと台紙の選び方も確認しておくと安心です。
迷ったときは、
「心よりお悔やみ申し上げます」
「ご遺族の皆様のご心痛をお察しいたします」
「どうかご無理なさらずお過ごしください」
のように、短く、静かで、中立的な表現を選びましょう。
お悔やみの言葉で一番大切なのは、上手な文章を書くことではありません。
遺族の悲しみや忙しさを邪魔せず、静かに気持ちを届けることです。
忌み言葉は、そのために言葉を少し整えるもの。
そう考えると、必要以上に怖がらずに、お悔やみの言葉を選びやすくなります。


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