年末年始に亡くなった場合の流れ|死亡届・火葬許可・安置のやることチェック

はじめに

年末年始に身内が亡くなると、「役所が閉まってる?」「火葬はできる?」「まず何をすれば…」と頭が真っ白になりやすいです。
私は葬儀社の現場スタッフとして、年末年始のご家族の不安と“段取りの詰まり”を何度も見てきました。

先にお伝えすると、年末年始でも、やること自体は止まりません。
止まるのは“窓口の動き”と“火葬場の枠”です。

この記事では、そこだけに絞って、いま必要な順番をチェック形式でまとめます。
全部やらなくて大丈夫。できるところからでOKです。

この記事でわかること

・年末年始に詰まりやすいポイント(役所・火葬場・連絡)
・亡くなってから当日中〜数日でやることの優先順位
・死亡届と火葬許可の流れ(ここが一番大事)
・安置が延びたときの考え方と、家族がラクになるコツ
・連絡テンプレ(会社・親戚)

3行まとめ

・年末年始でも死亡届と火葬許可は取れる。ただし通常窓口ではなく“休日窓口”運用が多い
・火葬は枠が詰まりやすいので、まず火葬場の空き確認が現実を決める
・安置が延びても珍しくない。延びる前提で「連絡の窓口」と「面会のルール」を決めると崩れにくい

まず結論:年末年始に詰まるのはこの3つ

年末年始(目安:12/29〜1/3前後)は、ここで詰まりやすいです。

1)火葬場の休業日・混雑
自治体ごとに休みが違い、年明けは予約が集中しがちです。

2)役所が通常窓口じゃない
死亡届は出せても、受付時間が短かったり、担当が限られていたりします。

3)連絡が分散する(親戚・会社・菩提寺)
「誰に、いつ、どこまで伝えたか」が混乱の原因になります。

ここを先回りして整えます。

0〜3時間でやること(まずは“確定”を取る)

□ 医師の死亡確認(病院・施設の場合)
□ 死亡診断書(または死体検案書)を受け取る
□ 搬送先(安置場所)を決める
□ 葬儀社へ連絡(搬送と安置の手配)

現場メモ:年末年始は「安置先が先に埋まる」ことがあります。葬儀内容を決める前に、まず安置を確保するのが優先です。

今日中に整えるチェック(できる範囲でOK)

ここは“今日中に全部”じゃなくて大丈夫です。
ただ、年末年始は翌日に持ち越すほど詰まりやすいので、できるものから。

□ 火葬場の空き状況を確認(ここで日程の現実が決まる)
□ 家族・親戚の連絡窓口を1人に決める(情報が散らばらない)
□ 会社へ第一報(忌引き・休暇の相談を含む)
□ 菩提寺がある場合は連絡(年末年始の都合確認)
□ 葬儀の形の方向性だけ決める(直葬/一日葬/通夜葬)

通夜と告別式の違いで迷いやすいので、先に整理したい方はここをどうぞ:
通夜と告別式の違い(やさしく整理)

死亡届・火葬許可の流れ(ここが“手続きの心臓”)

ここが止まると、火葬が進みません。

死亡届の基本

・死亡届は、死亡診断書(または死体検案書)と一体になっている用紙で出します
・期限は原則7日以内
・提出先は市区町村役所(死亡地・本籍地・届出人の所在地などで提出できます)

年末年始でも、宿直・休日窓口で受け付けている自治体が多いです(受付時間は自治体によって差があります)。

火葬許可証の基本

・死亡届が受理されると、火葬許可証が発行されます
・火葬当日に火葬場へ提出し、火葬後に「埋葬許可(済印)」として戻ってきます
・この紙は、お墓・納骨堂・樹木葬など、納骨に関わる場面で必要になります

現場メモ:ここは本当に大事なので、家族の中で「保管担当」を決めてください。
書類の迷子が起きるのは、忙しい年末年始ほど多いです。

「全体の流れを先に見たい」人は、固定ページもあわせてどうぞ:
もしも親が亡くなったとき、まず読むページ(固定)

年末年始のコツ:火葬場の空きが取れないとき

年末年始は、火葬場の枠が取りづらいことがあります。
そのときに大事なのは、「遅れる=異常」ではなく「遅れる前提で崩れない形にする」ことです。

□ 安置が延びる場合の費用(安置料・ドライアイス等)を先に確認
□ 面会の時間・人数・ルールを決める(家族の疲労を守る)
□ 親戚へは“決まったことだけ”を短く共有(未確定情報を流さない)

よくあるパターンはこうです。
・火葬が先に決まる → 式の日程が決まる → 親戚へ確定連絡
この順番にすると混乱が減ります。

PR(広告)年末年始は「相談窓口」を1つ確保すると一気にラクになります

年末年始は、役所の窓口や火葬場の枠が絡んで、段取りが普段より読みにくい時期です。
このページのチェックを見ながらでも大丈夫なので、まずは相談できる窓口を1つ確保して、安置と火葬の見通しだけでも立てておくと、家族の負担がぐっと軽くなります。

家族葬のこれから|まずは相談して段取りの見通しを立てる

サービス選びで大事なのは、最初にここだけ確認することです。
・希望する規模(直葬/家族葬)で対応できるか
・追加費用が出る条件(安置日数、搬送距離、式場使用など)
・年末年始の対応可否(地域・日程で差が出ます)

亡くなった場所別の注意点(年末年始はここも差が出る)

病院・施設で亡くなった場合

医師の死亡確認 → 死亡診断書 → 搬送・安置、が基本です。

自宅で亡くなった場合

かかりつけ医がすぐ来られない場合は、救急や警察が関わることがあります。
この場合、死体検案書になったり、確認に時間がかかったりして、年末年始は特に“想定より進みが遅くなる”ことがあります。

ここは焦っても短縮できない領域なので、家族の体力を守る方を優先してください。

連絡テンプレ(そのまま使えます)

会社への第一報(短く)

お疲れ様です。私事で恐縮ですが、身内が本日亡くなりました。
これから手続き等があり、まずは本日(または明日)お休みのご相談をさせてください。
詳細が分かり次第、改めてご連絡します。

親戚への第一報(短く)

○○が本日亡くなりました。現在は安置先の手配中です。
火葬や日程が決まり次第、改めてご連絡します。まずは取り急ぎご報告まで。

ポイントは、未確定を言わないこと。
年末年始は「言った/聞いてない」が揉めやすいので、確定したら一斉連絡が一番安全です。

年賀状・年始挨拶(喪中・寒中)で詰まったら

亡くなったのが年末だと、喪中はがきが間に合わないケースが普通にあります。
その場合は「寒中見舞いに切り替え」でOKです。

喪中はがきの書き方と例文
寒中見舞いのマナーと例文

弔電が必要になったら、文例と出し方のまとめ:
弔電の文例・出し方ガイド

よくある質問

Q. 年末年始でも死亡届は出せますか?

A. 多くの自治体で休日窓口(宿直)で受付しています。ただし時間や運用は自治体差があるので、役所の案内を確認するか、葬儀社に聞くのが早いです。

Q. 火葬はすぐできますか?

A. 原則として、亡くなってから24時間以内は火葬できません(例外はあります)。年末年始はさらに火葬枠が混みやすいので、空き確認が最優先になります。

Q. 直葬(火葬式)でも死亡届と火葬許可は必要?

A. 必要です。式の有無に関係なく、火葬をするなら手続きは同じです。

まとめ

年末年始に亡くなったとき、焦りの正体は「段取りが止まりそう」に見えることです。
でも実際は、止まるのは窓口と予約枠だけ。

・火葬場の空き確認
・死亡届 → 火葬許可の取得
・安置が延びる前提で、連絡の窓口と面会ルールを決める
ここまで整えば、いったん落ち着けます。

できる範囲で十分です。
いま一番大事なのは、あなた(家族)の体力を削り切らないことです。

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