日本の死亡数の推移|なぜ増減する?葬儀・火葬への影響を考える

セレモニーと季節の調和
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この記事でわかること

  • 日本の死亡数は、2015年から2025年にかけてどう変わったのか
  • 2024年の過去最多と、2025年の減少をどう読むか
  • 死亡数を一つの原因だけで説明できない理由
  • 年間の数字だけでは見えない、月ごとの波と地域ごとの差
  • 亡くなる方が重なる時期に、家族が確認すること
葬儀準備のために話し合う時

3行まとめ

  • 日本の死亡数は近年、高い水準で推移しています。2024年は過去最多となり、2025年は前年より減少しました。
  • ただし、年ごとの増減は高齢化やコロナだけでは説明できず、複数の死因の変化が重なっています。
  • 葬儀の混み具合は年間の死亡数だけで決まらず、亡くなる方がいつ・どこで重なるかと、地域の火葬場や会館、安置設備などの状況で変わります。

はじめに

葬儀の現場にいると、年間の死亡数だけでは見えない波を感じます。

比較的落ち着いている時期もあれば、短い期間にご逝去が重なり、火葬の日程や安置先、面会の方法を調整しにくくなる時期もあります。

ただし、死亡数が増えたからといって、すべての地域や葬儀社で同じように混み合うわけではありません。

火葬場の予約枠、安置室の空き、会館が一日に対応できる葬儀の件数、搬送や打ち合わせを行う体制は、地域や葬儀社によって異なります。

日本全体では、2024年の死亡数は過去最多となり、2025年は前年より減少しました。

けれど、年間の数字だけでは、実際の葬儀の現場で何が起こるのかまでは分かりません。

亡くなる方が短い期間に集中すれば、火葬日程、安置先、面会の可否、式場の空きなど、遺族が選べる方法にも影響が出ることがあります。

この記事では、厚生労働省の人口動態統計をもとに、日本の死亡数の推移と死因ごとの増減を整理します。

そのうえで、年間の死亡数だけでは見えない月ごとの波と、葬儀・火葬・安置の現場との関係を、葬儀の現場目線で考えます。

死亡数の統計を見る意味は、亡くなる方の数をただ数えることではありません。

いざという時に家族がどのような選択を迫られやすいかを知り、何を優先するかを考えるためです。

日本の死亡数の推移|2015〜2025年をどう読むか

まず、日本の死亡数がここ10年ほどでどのように変わってきたのかを見てみます。

死亡数
2015年129万510人
2016年130万8,158人
2017年134万567人
2018年136万2,470人
2019年138万1,093人
2020年137万2,755人
2021年143万9,856人
2022年156万9,050人
2023年157万6,016人
2024年160万5,378人
2025年※概数158万9,489人

出典:厚生労働省「人口動態統計」
※2015年から2024年は確定数、2025年は人口動態統計月報年計の概数です。
※数値は、日本において発生した日本人の死亡数です。

2015年には約129万人だった死亡数は、2024年には160万人を超え、過去最多となりました。

2025年は前年より1万5,889人減りましたが、それでも2015年と比べると、年間で約30万人多い水準です。

一方で、死亡数が毎年同じように増えているわけではありません。

2020年には前年より減少し、2025年も前年を下回りました。

2024年は過去最多となりましたが、近年の死亡数はすでに高い水準で推移していました。特に2022年以降は、毎年150万人を超えています。

長期的な背景の一つには、人口の年齢構成の変化があります。

ただし、この表だけでは、「なぜ増えたのか」「なぜある年は減ったのか」までは分かりません。

年ごとの増減には、老衰、肺炎、心疾患、新型コロナウイルス感染症など、複数の死因の変化が重なっています。

死亡数はなぜ増減する?|主な死因の変化から見る

死亡数が長い目で高い水準にある背景には、人口の年齢構成の変化があります。

ただし、年ごとの増減を高齢化だけで説明することはできません。

がん、心疾患、老衰、肺炎、新型コロナウイルス感染症、自殺など、それぞれの死因の増減が重なり、その年の総死亡数として表れます。

ここでは死因の順位ではなく、2024年と2025年に何が増え、何が減ったのかを見ます。

注目した死因2024年の増減(2023年比)2025年の増減(2024年比)
老衰+16,968人+7,824人
肺炎+4,423人+3,837人
悪性新生物(がん)+1,607人-5,299人
心疾患(高血圧性を除く)-4,760人-5,941人
新型コロナウイルス感染症-2,221人-14,368人
自殺-1,429人-1,090人

出典:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)」「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」「令和7年(2025)人口動態統計月報年計(概数)」
※表は、死亡数の年ごとの増減を読むために注目した死因を抜粋しています。表にない死因もあるため、合計しても総死亡数とは一致しません。
※2023年・2024年は確定数、2025年は概数です。

2024年は、総死亡数が前年より2万9,362人増え、過去最多となりました。

この年は、老衰が大きく増え、肺炎も前年より増えていました。

一方で、心疾患、新型コロナウイルス感染症、自殺による死亡は減っています。

また、表には入れていませんが、誤嚥性肺炎による死亡も2024年は前年より3,477人増え、2025年も729人増えています。

人口動態統計では、肺炎と誤嚥性肺炎は別の項目として集計されています。

2025年は、総死亡数が前年より1万5,889人減りました。

がん、心疾患、新型コロナウイルス感染症、自殺による死亡が減る一方で、老衰、肺炎、誤嚥性肺炎は増えています。

このように、総死亡数が増えた年でも、すべての死因が増えるわけではありません。

逆に、総死亡数が減った年でも、すべての死因が減るわけではありません。

死亡数の統計は、その年に何が増え、何が減ったかを知る手がかりになります。

ただし、数字だけを見て、「今年はこの病気が原因だった」と一つに決めることはできません。

いくつもの増減が重なった結果として、その年の死亡数があります。

コロナの影響は、もう終わったのか

新型コロナウイルス感染症による死亡は、2023年の3万8,086人から、2024年は3万5,865人、2025年は概数で2万1,497人へ減っています。

ただし、2024年は新型コロナウイルス感染症による死亡が前年より減る一方で、総死亡数は増えました。

このことからも、2024年に死亡数が過去最多となった理由を、コロナだけで説明することはできません。

コロナの影響がゼロになったわけではありません。

一方で、死亡数の増減をコロナだけで説明するのも正確ではありません。

自殺は総死亡数の主因ではないが、見落とせない

自殺による死亡は、2023年が2万1,037人、2024年が1万9,608人、2025年は概数で1万8,518人でした。

総死亡数の増減を説明する中心ではありません。

ただ、若い世代を含めて見ると、自殺は軽く扱えない死因です。

2025年の年齢別の主な死因の構成割合では、男性は10〜44歳、女性は10〜34歳で、自殺が最も大きくなっています。

葬儀の現場でも、ご家族が状況を受け止めきれないまま、警察による確認や各種手続き、葬儀の準備に向き合う場面があります。

統計上は一つの死因でも、残された家族にとっては数字だけでは整理できない出来事です。

その背景や理由を、外から簡単に決めつけることはできません。

年間の死亡数だけでは見えない|月ごとの波と地域ごとの差

年間の死亡数が同じでも、亡くなる方が一年を通して均等に発生するわけではありません。

2025年の月別死亡数を見ると、最も多かった月と少なかった月には、約5万9千人の差がありました。

2025年の月別死亡数死亡数
最も多かった月:1月172,287人
最も少なかった月:6月114,709人
57,578人

出典:厚生労働省「人口動態統計月報(概数)令和7年12月分(年計を含む)」
※全国の月別死亡数です。地域ごとの混雑や、火葬までの日数を示すものではありません。
※月の日数が異なるため、1日あたりの件数を比較した数字ではありません。
※2025年は概数です。

年間の死亡数だけを見ると、「その年に何人亡くなったか」は分かります。

ただ、葬儀の現場で影響が出やすいのは、亡くなる方が短い期間に重なるときです。

現場では、年間の件数が同じでも、数日間にご逝去が重なると状況が変わります。

火葬場だけでなく、安置室、式場、搬送、打ち合わせなど、同時に対応できる範囲には限りがあるためです。

ただし、空きや対応できる範囲は、地域や葬儀社、会館によって異なります。

火葬場の予約枠、安置室の空き、会館が一日に対応できる葬儀の件数、搬送や施行を支える体制は、どこでも同じではありません。

そのため、全国の死亡数が増えたというだけで、すべての地域で火葬待ちや葬儀待ちが起こるとは言えません。

一方で、亡くなる方が短期間に集中し、その地域で使える安置室や式場、火葬の予約枠が限られると、家族は希望する日時や安置方法を選びにくくなることがあります。

年間の死亡数だけでは、葬儀の混み具合は分かりません。

亡くなる方がいつ、どの地域で、どれだけ重なるか。そして、火葬・安置・葬儀に使える空きや対応体制がどれだけあるかで、遺族が選べる方法は変わります。

事前に葬儀社を比較する場合は、式場の雰囲気や費用だけでなく、安置方法、面会の可否、搬送の対応範囲も確認しておくと安心です。

葬儀社の選び方|後悔しない7つの比較ポイントと事前相談で聞くことで、確認したいポイントを整理しています。

亡くなる方が重なる時期、葬儀の形式より先に決めること

葬儀というと、「家族葬にするか」「一般葬にするか」といった形式から考える人も多いと思います。

ただ、亡くなった直後は、形式より先に確認しなければならないことがあります。

特に亡くなる方が重なる時期は、安置先、火葬日程、面会の方法、親族や宗教者への連絡を、限られた選択肢の中で考えていくことになります。

実際には、ここに書く順番どおりに一つずつ決まるわけではありません。

安置先を考えながら火葬日程を確認し、面会できるかどうかや、親族・宗教者の都合も並行して調整していくことが多いです。

亡くなった直後に何を優先すればよいかを先に確認したい方は、もしも親や身内が亡くなったら?現役葬祭ディレクターが教える最初の手順ガイドも参考にしてください。

安置先と面会の形を確認する

亡くなった直後に確認が必要になりやすいのは、故人をどこで安置するかです。

自宅へお戻りいただく方法もあれば、葬儀会館や安置施設を利用する方法もあります。

会館や安置施設によっては、ご家族が面会できる個室の安置室を利用できる場合があります。

一方で、個室が満室の場合は、面会が難しい多数安置の方法を提案されることもあります。

会館全体の安置枠に空きがない場合には、自宅安置や、近隣の会館・安置施設を検討することもあります。

どの方法が正しいということではありません。

自宅の環境、ご家族の体力、面会をどの程度大切にしたいか、火葬までの日数などを踏まえて、その時点で選べる方法を確認していくことになります。

葬儀全体の流れや、安置の後に何を決めていくのかは、葬儀の基本知識|流れ・種類・費用・マナーを葬祭ディレクターが解説で詳しく整理しています。

火葬日程は、火葬場の空きだけでは決まらない

火葬場に予約枠が空いていても、それだけで翌日の火葬日程を組めるとは限りません。

法律上、原則として死亡後24時間を経過しないと火葬はできません。

そのため、亡くなった時刻によっては、翌日であっても火葬できる時間帯が限られることがあります。

さらに、亡くなった時間やご連絡をいただく時間によって、その日に進められる手続きや準備は変わります。

火葬日程を決める際には、火葬場の空きだけでなく、安置先、搬送、打ち合わせ、式場の準備、必要な車両や人員の確保なども確認する必要があります。

親族が集まれる日、菩提寺や宗教者の予定、希望する式場の空き状況も関わります。

また、死亡届や火葬許可に関する手続きの進み方は、自治体の窓口運用にも左右されます。

火葬式・直葬にするのか、通夜や葬儀を行うのかによっても、必要な準備と日程の組み方は変わります。

そのため、朝にご連絡をいただく場合と、昼以降や夕方にご連絡をいただく場合では、案内できる日程が変わることがあります。

翌日に火葬できる場合もあれば、数日後になる場合もあります。

火葬の日程は、火葬場の空きだけではなく、その時点で整えられる条件を確認しながら決まっていきます。

火葬までの日数が延びると、安置や保全に関する費用が動くことがあります。費用面もあわせて確認したい方は、葬儀費用はどこで増える?料理・返礼品・供花・安置日数の見積もり注意点をご覧ください。

式場・宗教者・親族への連絡を調整する

安置先や火葬日程のおおよその見通しが立つと、通夜や葬儀を行うか、どの会館を使うか、誰へ連絡するかを具体的に考えていきます。

菩提寺がある場合は、できるだけ早めに連絡した方がよいケースもあります。

親族が集まれる日を待つのか、家族だけで早めに進めるのかも、ご家族によって考え方が異なります。

葬儀の形式は大切です。

ただ、亡くなる方が重なる時期には、形式を決める前に、安置先や火葬日程、面会の可否といった条件を先に整理しなければならないことがあります。

限られた選択肢の中で、何を優先するかを家族で考えることが、後悔しにくい葬儀につながります。

元気なうちにできる準備は、細かな希望より優先順位を共有すること

葬儀の準備というと、「家族葬にするか」「どの会館を使うか」「どんな祭壇にするか」まで決めておくものだと思うかもしれません。

ただ、実際には、亡くなる時期や場所、火葬場や会館の空き状況、家族の都合によって、希望どおりに進まないこともあります。

そのため、元気なうちにすべてを決め切る必要はありません。

むしろ大切なのは、選択肢が限られた時に、何を優先したいかを家族で共有しておくことです。

たとえば、次のようなことです。

  • できれば自宅へ戻りたいのか
  • 個室で面会できる時間を大切にしたいのか
  • 火葬までの日数をできるだけ短くしたいのか
  • 親族が集まれる日を待ちたいのか
  • 菩提寺や宗教者の都合を優先したいのか

すべてをかなえることが難しい場面もあります。

それでも、本人や家族が何を大切にしたいと思っているかが少し分かるだけで、亡くなった直後の判断は変わります。

また、誰が最初の連絡や葬儀社との窓口を担うのか、菩提寺や付き合いのある宗教者がいるのか、保険証券や通帳などの大切な書類をどこに保管しているのかも、家族で共有しておくと安心です。

事前相談も、将来の火葬日や個室安置を確保するためだけのものではありません。

地域でどのような安置方法があるのか、火葬までの日数はどの程度かかりやすいのか、費用はどこで変わるのかを知り、そのうえで家族が何を優先するかを整理するために役立ちます。

事前相談で何を聞けばよいか、メリットと注意点を整理したい方は、葬儀の事前相談は必要?メリット・デメリットと後悔しない聞き方も参考にしてください。

終活は、未来を完全に決めるためのものではありません。

いざという時に家族が迷いすぎず、故人との時間を少しでも大切にできるようにするための準備です。

よくある質問

火葬場が空いていれば、翌日に火葬できますか?

必ずしも翌日に火葬できるとは限りません。

原則として、死亡後24時間を経過しないと火葬はできません。

火葬場の予約枠だけでなく、亡くなった時間やご連絡をいただく時間、死亡届や火葬許可に関する手続き、搬送や安置の準備、打ち合わせ、必要な車両や人員の確保などを確認しながら日程を決めるためです。

たとえば、朝にご連絡をいただく場合と、昼以降や夕方にご連絡をいただく場合では、その日に進められる手続きや準備が変わります。

また、火葬場に空きがあっても、安置先、搬送、式場、親族や宗教者の予定まで含めて条件が整わなければ、翌日の火葬日程を案内できないことがあります。

早く火葬することを優先したいのか、面会できる時間や親族が集まることを優先したいのかによっても、選ぶ日程は変わります。

安置室が満室の場合はどうなりますか?

どの安置室が満室かによって、案内できる方法が変わります。

ご家族が面会できる個室の安置室が満室の場合は、面会が難しい多数安置の方法を提案されることがあります。

さらに、会館全体の安置枠に空きがない場合は、自宅へお戻りいただく方法や、近隣の会館・安置施設を案内される場合もあります。

どの方法がよいかは、自宅の環境、ご家族の体力、面会をどの程度大切にしたいか、火葬までの日数などによって変わります。

最初の相談時に、「できれば個室で面会したい」「自宅へ戻ることを優先したい」など、希望の優先順位を伝えておくと、その時点で選べる方法を案内してもらいやすくなります。

まとめ|死亡数の統計は、遺族の選択肢にも関わる

日本の死亡数は、長い目で見ると高い水準が続いています。

2024年は過去最多となり、2025年は前年より減少しました。

ただし、死亡数の増減を、高齢化や新型コロナウイルス感染症だけで説明することはできません。

老衰、肺炎、心疾患、がん、自殺など、さまざまな死因の増減が重なって、その年の死亡数になります。

また、年間の死亡数だけでは、葬儀の現場の混み具合までは分かりません。

亡くなる方が短い期間に集中するか、地域の火葬場・安置設備・会館の空きや、搬送・施行に対応できる体制によって、遺族が選べる日程や安置方法は変わります。

亡くなる方が重なる時期には、葬儀の形式を考える前に、安置先、火葬日程、面会の可否、誰へ連絡するかを先に確認しなければならないこともあります。

だからこそ、元気なうちにすべてを決め切る必要はなくても、自宅へ戻ること、面会できること、早く火葬すること、親族が集まることのうち、何を優先したいかを家族で共有しておく意味があります。

死亡数の統計を見ることは、亡くなる方の数をただ数えるためではありません。

いざという時に家族が迷いすぎず、限られた選択肢の中でも、故人との時間を大切にできるようにするためです。

参考資料

※2015年から2024年までの死亡数・死因別死亡数は確定数です。
※2025年の死亡数・死因別死亡数・月別死亡数は概数であり、今後公表される確定数で修正される可能性があります。

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