はじめに
葬儀の打ち合わせで、現場に着く前に頭の中で鳴る警報があります。
車、どこ停める問題。
近くにコインパーキングがあれば平和。
でも、ない。路地が狭い。しかも、ご近所の空気が読めない。
これは、若い頃の自分がきっちり痛い目を見た話です。
同業の方なら「あるある…」と頷くかもしれません。
なお、ご家族向けに「葬儀全体の流れ」を先に掴みたい方は、こちらのまとめが入口になります。
葬儀の基本知識まとめ
この記事でわかること
・喪主宅への打ち合わせで「停め方」をどう判断するか
・家族葬で近所に声をかけないケースが増えたときの注意点
・通報・駐禁リスクを下げる現実的な動き方
・やらかしたときに揉めないための回収の考え方
3行まとめ
・家の人が言う「停めても大丈夫」は善意。でも近所事情までは保証してくれない
・家族葬は“周囲に知らせない”ことがあり、外からは誤解されやすい
・正解は「挨拶」より「施主の方針に従いつつ、迷惑を出さない段取り」
若い頃の失敗談:家の前に停めて、駐禁を切られた
喪主さんのお宅へ打ち合わせに伺う予定がありました。
到着前に確認したんです。「駐車スペースがない場合、コインパーキングを探した方がいいですか?」と。
返ってきた言葉は、すごく親切でした。
「家の前でも、しばらく大丈夫ですよ」
その言葉を信じて、自宅前に停めました。
結果、近隣の方に通報されて、駐禁切符。きっちり。
罰金は自腹。さらに点数も取られて、ゴールド免許は消滅。
笑い話っぽく書いてますが、当時は普通に凹みました。
あとから喪主さんがポロッと言っていたのが、たぶん答えです。
近所の人と、仲が良くなかったっぽい。
こちらからは見えない地雷が、最初から埋まっていたんだと思います。
「喪主さんって、車のことまで頭が回らないのが普通」です。
やることが多すぎるので。
喪主の負担感をざっくり掴みたい方は、これも参考になります。
喪主がやること全部リスト
これ、家族葬の“起きやすさ”が出た話かもしれない
一般葬だと、近所に自然と周知されることが多いです。
「今日は弔事なんだな」という前提が共有されていると、周囲の人も弔意(少なくとも理解)を持ってくれやすい。
一般葬のイメージがつかめない方は、こちらに流れをまとめています。
一般葬とは?流れ・費用・参列マナーまで
でも今は家族葬が増えて、「近所に知らせないでほしい」という希望も珍しくありません。
外から見たら、
・知らない車が停まってる
・黒服の人が出入りしてる
・路地が一時的に通りにくい
みたいに、“弔事”として見えないぶん、不審や迷惑に見えやすい。
善意の弔意が乗る前に、監視モードで通報が先に走る。こういう構造が起きやすいです。
家族葬のメリット・デメリット(周知の難しさ含む)を整理した記事はこちら。
家族葬のメリット・デメリット
だからといって、業者が勝手に近隣へ挨拶するのも危ない
ここが現場のややこしいところです。
「近隣に一言ご挨拶を…」が通用する場面もあります。
でも家族葬では、そもそも「近所に知られたくない」が依頼内容になっていることもある。
こちらが勝手に挨拶に行ったことで、
「え、あのお宅で何かあったの?」と話が広がってしまう可能性がある。
それは施主さんの意図と逆です。
なので結論としてはこうです。
・近隣に声をかけるかどうかは、施主さんの方針を最優先
・挨拶が必要なら「こちらから行っていいですか?」を必ず確認
・確認が取れないなら、こちらは“停めない前提”で動く(目立たない段取りへ寄せる)
正解は「挨拶で解決」ではなく、
「そもそも迷惑が発生しにくい動き方」に寄せることが多いです。
現場で使える:駐車判断のシンプル手順
1)到着前に地図で“逃げ道”を決める
・最寄りのコインパーキングを確認
・無ければ「停めない前提」に切り替える(徒歩/タクシー/送迎など)
ポイントは、現地で探し始めないこと。焦るし目立ちます。
「もしもの直後〜打ち合わせ」までの全体の段取りを確認したい方は、こちら。
もしも親や身内が亡くなったら──最初に読むページ
2)喪主さんへの確認は“丸投げしない”言い方にする
おすすめの言い方はこれです。
「近所の方の通行の邪魔になりやすい場所だと心配なので、車は基本コインパーキングに入れますね。もし近くに停められる場所があれば教えてください」
これなら、
・配慮が先に立つ
・喪主さんに責任を背負わせにくい
ので、空気が荒れにくいです。
3)路地では「1分停車」が一番危ない
狭い路地ほど、短時間でも火種になります。
「玄関前にちょっとだけ」が最も通報されやすい体感があります。
荷物は最初からミニマムに。徒歩前提で組むと迷いが消えます。
もし「どうしても車が必要」な日ならどうする?
打ち合わせ内容によっては、資料や道具が多くて車が必要な日もあります。
その場合は無理に突っ込まず、先に設計を変えた方が安全です。
・会館や駐車できる場所に打ち合わせ場所を変更する
・日程を分ける(道具が必要な回と、説明中心の回)
・同僚と分担して、車を置ける人/徒歩で行く人に分ける
打ち合わせの所要時間・服装・持ち物(録音のコツ含む)をまとめたページもあります。
葬儀の打ち合わせの流れと準備
駐禁を切られたときの回収:揉めないための考え方
やらかしたとき、やってはいけないのは「誰のせいか」を現場で始めることです。
喪主さんを疲れさせるし、近隣と揉めても得しません。
回収の動きはこれだけで十分です。
・言い訳しない(説明しすぎない)
・必要なら一言だけ頭を下げる
・喪主さんには「こちらの配慮が足りませんでした」で引き取る
・次からは停めない前提へ切り替える(同じ場所で二度目は致命傷)
そして、自分への教訓もこれで締まります。
近所付き合い、しとけよ。
喪主さん側も、こっち(業者)側も。
ただし、家族葬では「知らせない」のが方針のときもあるから、こちらが勝手に挨拶はしない。
だから最後はいつも、段取りで勝つ。
まとめ
喪主宅への打ち合わせの駐車は、技術というよりリスク管理です。
「大丈夫ですよ」は善意。でも近所事情までは保証してくれない。そこが落とし穴。
家族葬が増えた今は、周囲に知らせないケースもある。
だから業者が勝手に挨拶に行くのも危ない。
施主さんの方針に従いつつ、迷惑を出さない動き方へ寄せる。これが一番揉めにくいです。
法要(四十九日、一周忌、会食の有無など)も含めて全体像を整理したい方は、こちらにまとめています。
法事・供養まとめ(法要ハブ)
参列者側の「当日の動き・服装・香典」も確認したい方へ。
参列者のマナーまとめ


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