もしものとき、文字ではなく“声”で想いを残せたなら。
「手紙じゃ伝えきれないことがある」「文章を書くのはちょっと苦手」
そんなふうに感じたことはありませんか?
スマホのボイスメモで、愛する人に「ありがとう」を録音しておく。
それをQRコードに変換し、エンディングノートに貼っておけば、未来の誰かがその“声”を聞ける——
今回は、声をQRで残す「音声つきエンディングノート」という、アイデアをご紹介します。
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この記事でわかること
- 音声メッセージのできること/できないこと(法的効力の範囲)
- 失敗しない録音〜書き起こし〜保存〜共有の手順
- 家族が迷わない伝え方(QR・封筒の入れ方・メモ書き)
- セキュリティとバックアップのコツ
3行まとめ
- 音声は“遺言の代わり”ではないが、思いを伝える付言としてとても有効。
- 録音→書き起こし→二重保存→家族へ共有の順で迷わない。
- 財産の指定は書面遺言(公正証書 or 自筆+保管)を併用しよう。
まず確認:音声の“法的効力”
- 音声・動画だけでは「遺言」としては無効です。日本の遺言は要式(決まった形式)で、基本は書面(自筆証書/公正証書/秘密証書)。録音・動画は法定方式に含まれません。
- その一方で、家族への思いを伝える“付言”や、書面遺言の補助資料(作成経緯の説明・本人意思の裏づけ)としては有用です。
- きちんと相続を指定したい場合は、公正証書遺言(民法969条)や自筆証書遺言(民法968条+保管制度)を併用してください。
なぜ、あなたの「声」が未来の家族をホッとさせるのか?
私たちは、誰かの声を聞くだけで、涙が出ることがあります。
優しい声、懐かしい声、笑い声。
言葉だけでは伝わらない“温度”や“想い”が、声には宿っているからです。
実際、葬儀や法要の現場でも「生前の声をもう一度聞けたら…」というご遺族の声を何度も耳にしてきました。
そんな願いを、誰もが手軽に叶えられる時代になっています。
かんたん比較(音声/手書き/動画)
| 手段 | 長所 | 注意点 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| 音声 | 感情やニュアンスが伝わりやすい/準備が簡単 | 法的効力はなし(遺言にはならない)/媒体の劣化・紛失に注意 | 家族への想い・背景説明・付言 |
| 手書き(自筆証書) | 手軽・費用が安い/保管制度で紛失リスク低減 | 方式違反に注意(全文自書など)/検認が必要 | 財産の分け方の指定(書面遺言) |
| 公正証書 | 方式ミスの心配が少ない/原本は公証役場で厳格保管 | 費用/証人2名の立会いが必要 | 確実に効力を持たせたい遺言 |
QRコードで“声”をノートに残すってどういうこと?
- スマホで音声を録音する(ボイスメモなど)
- GoogleドライブやDropboxなどに音声をアップロード
- アップロードしたファイルの共有リンクを取得
- 無料のQRコード作成サイトでリンクをQRコード化
- QRを印刷し、エンディングノートに貼る!
たったこれだけで、“声のタイムカプセル”が完成します。
特別な機器は不要、スマホ1台で誰でも簡単に始められる方法です。
どんな“声”を残したい?未来の誰かへの贈りもの
- お子さんへの応援メッセージ
- パートナーへの感謝の気持ち
- お孫さんへ語る思い出話
- 自分自身への言葉(未来の自分へ)
- 大切な人への「ごめんね」「ありがとう」
特別なスピーチでなくて構いません。
あなたらしい言葉、いつもの声でいいのです。
「笑いながら話す、あの感じが聞きたかった」
きっとそんなふうに感じてくれる人が、あなたの声を待っています。
音声メッセージの作り方(5ステップ)
- 準備:静かな場所/スマホのボイスメモ or 専用レコーダー。
- 収録:誰に向けたメッセージか、日付、要点→感謝→具体的な思いの順で2〜5分×複数本に分ける。
- 書き起こし:文字化してノートに添付(後述のツール例)。検索性・将来の読みやすさが上がります。
- 保存:スマホ本体+クラウド(2箇所以上)。ファイル名は「YYYYMMDD_対象_要旨.m4a」。
- 共有:家族代表1名に場所を伝える。QRコードを印刷してノートに貼ると迷いません。
録音は“遺言の代わり”ではなく付言として扱ってください。
もっと本格的に残したい人へ:おすすめツール
簡易派:スマホ+QRコード(無料)
- ボイスメモ × Googleドライブ × 無料QR作成
- 手軽・すぐ始められる・費用ゼロ
本格派:ウェアラブルAI録音機【PROUDNOTE PIN】
- 会話をAIで文字起こし+要約+マインドマップ
- 会話の記録としても、家族へのメッセージとしても◎
- 実際のレビューはこちら→PROUDNOTE PINレビュー記事
録音内容を「声」として残すか、「文字+声」として整理するか、目的に応じて選んでみてください。
音声つきエンディングノートが活きるシーンとは?
- 成人する子どもへ「未来への手紙」
- 親に内緒で残す「本音メッセージ」
- 認知症が心配な家族へ自分の想いを残す
- 結婚記念日や誕生日に添える「声の贈り物」
“声”は何年経っても消えない記憶の引き金になります。
あなたの声が、誰かの心を救う日がくるかもしれません。
注意点と心がまえ
- 音声ファイルはクラウドに保存するため、プライバシー設定は必ず確認を。
- QRコードの貼り位置には、「何の声か」一言添えると親切です。
- 録音は「飾らず、ありのまま」で大丈夫。緊張しなくてOK。
- 聞く人の気持ちも大切に。「聞く・聞かないは自由」と残しておきましょう。
法的に確実にしたいときは
- 公正証書遺言(969条)が最も安心。声で伝えたい思いは付言として録音し、財産の指定は書面遺言で。
- 自筆証書遺言+保管制度の併用も有効(方式ミスや紛失リスクの低減)。
よくある質問(抜粋)
Q. 音声だけで遺言にできますか?
A. できません。音声・動画は現行法の遺言方式に含まれません。付言としては有用です。
Q. 動画なら有効ですか?
A. 動画も同様に遺言としては無効です。
Q. 病気などで字が書けない場合は?
A. 公正証書遺言を検討してください。通訳・筆談等での申述に道を開く特則が整備されています。
Q. 書面遺言と音声、どちらを優先?
A. 手続の基準は書面遺言(法定遺言事項)。音声は補助資料・付言として残しましょう。
まとめ|あなたらしさは、声にも宿る。
声には、人柄や温かさがにじみ出ます。
エンディングノートに“音”を添えることで、文章だけでは伝わらない「あなたらしさ」を残すことができます。
大切なのは、完璧な言葉よりも、「今、伝えたい気持ち」。
まずはスマホを手に取って、身近な人への「ありがとう」を録音してみませんか?
あなたの声が、未来の誰かの心をそっと温めてくれる日を願って。


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