死亡後の手続きは何から?【順番・期限がひと目で分かるチェックリスト】

まずは深呼吸。いまは「全部」ではなく、“今日ひとつだけ進める”で十分です。迷ったら役所・年金事務所・銀行・税務署・法務局の窓口に相談しましょう。専門用語には(かんたんな説明)を添えています。

👉死後事務委任契約の実務:解除条項/デジタル遺品/葬儀方式の指定を図解


この記事の使い方

  • ① 順番(タイムライン)を眺める
  • 役所/銀行/年金/税/不動産の入口だけ押さえる
  • ③ いちばん気になる所を1つだけ進める(最後に印刷用チェックリストあり)

死亡後の手続き|順番がわかるタイムライン

当日〜7日以内(まずはここ)

  • 死亡届(7日以内)※葬儀社が代行するケースが多いです
  • 火葬(埋葬)許可の申請 ※葬儀社が代行するケースが多いです
  • 健康保険証・介護保険被保険者証の返却
  • 世帯主変更(必要な場合)

死亡届の控え(コピー)をとっておくと後の手続きがスムーズです。

2週間〜1か月(生活を回す)

  • 公共料金・携帯・インターネット・NHKの名義変更/解約
  • 勤務先への連絡(社会保険・最終給与・退職金など)
  • 銀行の相続手続きの問い合わせ(後述)

3か月以内(相続の大きな岐路)

  • 相続放棄/限定承認の検討(※熟慮期間=原則3か月) 借金が心配なときはここを最優先。家庭裁判所に相談できます。

4か月以内(税:準確定申告)

  • 故人の準確定申告(=亡くなった年分の確定申告)

10か月以内(税:相続税)

  • 相続税の申告・納付(対象になる場合)

3年以内(不動産の登記)

  • 相続で取得した土地・家の名義変更(相続登記)は3年以内に申請が義務です。

5年の目安(年金の時効)

  • 未支給年金・過去分は原則5年で時効。早めの確認を。

役所の手続き(持ち物と委任の目安)

まず総合窓口に「死亡後の手続きをまとめて相談したい」と伝えると案内が早いです。

主な手続き

  • 死亡届・火葬(埋葬)許可
  • 国民健康保険/後期高齢者医療の資格喪失
  • 介護保険資格の喪失
  • 世帯主変更・住民票関係(必要に応じて)
  • 児童手当・障害者手帳などの停止・返却(該当時)

よく使う持ち物

  • 死亡診断書(または死体検案書)の写し
  • 届出人の身分証印鑑(シャチハタ不可のことが多い)
  • 故人の保険証介護保険被保険者証
  • 戸籍・住民票関係(必要に応じて)

委任できる?

  • 多くは委任状+本人確認書類のコピーで家族が代行できます。書式は自治体サイトにある場合が多いです。

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銀行の手続き(必要書類の“共通セット”)

口座は死亡の連絡後に取引が止まる(凍結)のが基本。生活費・葬儀費が必要なときは金融機関に事情を伝えて相談しましょう。

よく求められる書類

  • 戸籍一式(出生〜死亡までの除籍・改製原戸籍など)
  • 相続関係説明図(家系図のような関係図)
  • 遺言書(ある場合は検認後)または遺産分割協議書
  • 相続人代表者の本人確認書類印鑑証明
  • 金融機関の相続手続依頼書(店頭/郵送で取り寄せ)

進め方のコツ

  • 本籍地の役所に戸籍をまとめて請求すると手間が減ります。
  • まず相続担当窓口の連絡先を控え、必要書類を電話で確認しましょう。

年金の手続きの入口(停止・未支給・遺族年金)

どの手続きに当てはまるかで必要書類が変わります。まず年金事務所でケースを伝えましょう。

主な流れ

  • 年金受給停止の届出(受給中だった場合)
  • 未支給年金の請求(家族が受け取れる分)
  • 遺族年金の請求(国民年金・厚生年金など)

よく使う持ち物

  • 年金証書(または年金手帳)基礎年金番号
  • 戸籍・住民票関係、死亡診断書の写し
  • 受取人の身分証振込口座(通帳)

注意:年金のさかのぼりや未支給は原則5年が上限の目安です。


税の手続き(4か月/10か月)

準確定申告(4か月以内)

  • 故人に収入があった場合、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に申告。
  • 申告書、源泉徴収票、医療費控除の領収書などを準備。

相続税(10か月以内)

  • 課税対象の場合、10か月以内に申告・納付。
  • 財産評価や特例は早めに税理士へ相談を。

不動産の相続登記(3年以内の義務)

必要書類の例

  • 遺言書または遺産分割協議書
  • 登記原因証明情報(原因と日付の説明書)
  • 相続関係説明図戸籍一式
  • 固定資産評価証明書

相談先

  • 管轄の法務局。登記相談(予約制)が安心です。

今日やるのは“ひとつだけ”

  • 役所:総合窓口で「死亡後の手続きをまとめて相談したい」と伝える
  • 銀行:相続担当の連絡先と必要書類をメモ
  • 年金:最寄りの年金事務所の来所予約を取る
  • :収入の有無を家族で確認し、準確定申告の期限をカレンダーに記入
  • 不動産固定資産税の納税通知書の保管場所を確認

一歩でも進めばOK。疲れたら温かいお茶を飲んでいったん休みましょう。


印刷できるチェックリスト

必要ならPDF化して家族と共有してください。

死亡後の手続きチェックリスト(A4・1枚)

当日〜7日以内
死亡届・火葬(埋葬)許可(7日以内)
健康保険証・介護保険証の返却
世帯主変更(必要時)
2週間〜1か月
公共料金・携帯・ネット・NHKの名義変更/解約
勤務先(社会保険/最終給与/退職金)の確認
銀行の相続手続きの連絡・必要書類の取り寄せ
3か月以内相続放棄/限定承認の熟慮期間
借金が不明なら家庭裁判所へ相談
4か月以内準確定申告
源泉徴収票・医療費領収書などの整理
10か月以内相続税の申告・納付
対象かを税務署/税理士に確認
不動産がある場合相続登記(3年以内)
遺言書/遺産分割協議書・固定資産評価証明書の用意
年金の手続き未支給・過去分の時効は原則5年
年金受給停止・未支給年金・遺族年金の確認
年金事務所の来所予約
メモ(連絡先/必要書類)
市区町村窓口
銀行相続窓口
年金事務所
税理士/法テラス等

よくある質問(Q&A)

Q. 何から手をつければ?
A. 死亡届の控えを1部確保役所の総合窓口で相談銀行・年金の担当窓口をメモ。今日は電話1本で十分です。

Q. 書類が多すぎて不安です。
A. 共通で使うものから集めましょう。戸籍一式/本人確認/印鑑証明/死亡診断書の写しをひと束に。

Q. 忙しくて動けません。
A. 役所や銀行は委任状で家族が代行できることが多いです。窓口で書式と必要書類を確認してください。


まとめ|小さく進めて、ちゃんと前に

全部をいっぺんにやる必要はありません。“今日は1チェック”でOK。
つらくなったら、温かい飲み物を一杯。落ち着いたらまた一歩。あなたのペースで大丈夫です。

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